防犯ブログ

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2006年04月03日 安全のない安心は最も危険です。

「今朝の新聞に載っているのは私です。自分の姿が写って逃げられないと思った」と供述して男が出頭し、川崎の小学3年生男子のマンション落下事件は、殺人事件となりました。
同マンションでは不審者情報からこの3月上旬に18台のカメラを設置したばかりで、男はその録画画像を警察が公表したことで「もう逃げられない」と観念して出頭しました。
18台の監視カメラは犯人逮捕には役に立ちましたが、犯罪そのものを止めることはできませんでした。

中高層マンションでは、オートロックや防犯カメラなどの導入が進んでいますが、そのすきを突いた侵入事件が後を絶ちません。小学生が被害者となる殺人事件も目立っています。

警察庁によると、住居侵入事件の認知件数は、00年の2万976件が03年には4万348件に増加。04年は3万7857件とやや減少したが、ここ数年高水準で推移しています。このうち、4階建て以上の中高層マンションが約1割を占めています。一方、少年(20歳未満)が殺人の被害者になる事件も、05年は151件、小学生だけでも27件発生しています。

マンション、団地で子供が襲われたケースは、
・東京都新宿区の団地で04年6月、5歳の男児が中学2年の少女に突き落とされ軽傷を負った。
・05年12月には、練馬区のマンションで、小学6年の女児が高校1年の少年にナイフを突きつけられるなど。高層マンションのエレベーターや通路などの死角での事件は頻発しています。

マンション業界では、「安全」というキャッチコピーが広告の中に必ず入るようになりました。「防犯マンション」「防犯性能完備」・・しかし、プロの目から見ると本当の意味で「安全」が確保されているとまでいえない場合も多いのが実情です。個人のプライバシーより安全を重視して監視カメラを設置しようということにようやくなったというのが現状で、まだまだオートロックシステムしかついていない、数台のカメラしかついていないのに「防犯は万全」と過信していることが多いのです。

しかし、忘れてはならないのはオートロックシステムがついている最新マンションで窃盗被害が多発しているという事実です。「オートロックシステムをつけているマンションは施錠していないことも多く狙い目」という窃盗犯もいます。住民の「過信」が施錠忘れにつながっていて、本来オートロックシステムは安全面ではプラスなのにかえってマイナス効果になってしまっている例だと思います。(オートロックシステムが付いていても、住民の誰かと一緒に入るなどマンション内に入ることはできますし、隣の建物から移る、といをよじ登るなど侵入者はいろいろな方法でマンションに侵入しています。詳しくは防犯ブログをご参照ください)

どんなシステムでもそれだけでは完全に犯罪を防ぐことはできません。システムを運用する住民の意識が最も重要です。「自分の安全は自分で守る」という自衛意識、「この地域の犯罪を減らそう・安全な街にしよう」という共通の意識を住民みんなでもつことこそもっとも防犯上に必要なことです。
マンションのコミュニティの希薄さ・・「隣の住人の顔を知らない」「顔を合わせても挨拶をしない」といったことが、不法侵入者にとって最も犯行を行いやすい環境であることを忘れてはなりません。
マンション購入者には『近所付き合いがわずらわしい』と考える人もいますが、住民同士のコミュニティーの力で被害を防ぐという視点が重要です。

「安全のない安心は最も危険である。安全のある安心は最も快適である」・・これがセキュリティハウスのセキュリティ基本コンセプトです。そして、最も重要なことは不審者を建物内・敷地内に入れないということです。
カメラ監視だけ、オートロックだけといったシステムではなく、トータルとしてマンション敷地内にどのようにして犯罪の発生しにくい環境を作るのか、どういう風に住民の防犯意識を高めていくのか、システムを運営管理していくのか、ハードだけでなくソフトが重要だと思います。
そのためには、防犯のプロである防犯設備士、総合防犯設備士に現状の防犯設備や建物を防犯診断してもらい、弱点を補強していくことが必要です。
子供たちにも、「防犯教育」を徹底していくことが望まれます。小学館が出版している「小学6年生5月号」は「防犯大特集」が掲載されています。最新のシステムと防犯意識・・この積み重ねで、少しでも「安全のある安心」に近づけていく・・ということがもっとも重要です。

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