防犯ブログ
- 犯罪手口
2006年04月10日
催眠商法の手口と対策
チラシや、くじ引き、景品などで通行人を誘い、会場に呼び込んだ後、景品を無料で配ったり、巧みな話術で雰囲気を盛り上げ、会場にいる人を興奮させて、冷静な判断を失わせてから、高価な商品を買わせるのが 「催眠商法(SF商法ともいう)」です。
被害者は高齢者が多いのですが、主婦もねらわれています。 最近では、契約に応じないと、「数人で囲まれて脅かされた」「暴力をふるわれた」といった事例が、全国の消費生活センターに多数寄せられています。
4月9日付け読売新聞「代金1300万返せ」購入者が健康食品3社提訴への記事によると、健康食品会社「ハートライフ」(札幌市)、健康食品販売会社「セレブ」(熊本市)、健康食品の製造会社「エヌアイテイ」(福岡県飯塚市)の3社に対し、「だまされて商品を買わされた」として14人が健康食品の代金返還などを求め、計約1300万円の損害賠償請求訴訟を10日にも起こすとのことです。原告は、静岡県内に住む63〜82歳の男女です。
訴状によると、ハートライフは静岡県内に店舗を設け、「100円で米や洗剤などを販売する」といったチラシを配布。高齢者らを勧誘して商品説明会を開き、「脳卒中や脳梗塞(こうそく)に効く」などと説明し、エヌアイテイが製造した健康食品を買わせる「催眠商法」を展開したとのことです。
催眠商法の手口と対策
この催眠商法は商品の引換券を配るからとか、くじ引きの抽選会を開くからといって集めた人たちを言葉巧みにあおりたてて、別の高額な商品を買わせるというものです。
「新製品普及会」という業者が始めて行ったことから、その頭文字をとってSF(えすえふ)商法とも呼ばれています。
会場には業者側のいわゆるサクラもいて場を盛り上げ、集まった人は興奮状態の雰囲気に飲まれて、本当は買うつもりのない高額な商品を購入してしまうんです。
◆ 主な商品:羽毛布団、健康機器、マッサージ器、健康食品、鍋、高額化粧品、アクセサリーなど
被害額は平均すると36万円前後ですが、中には数百万円というケースもあります。
◆ 具体的手口・商品引換券、商品割引券、くじ引き、景品などで会場に人を集める。すぐに撤収することができる仮設の臨時店舗の場合が多い。
・会場で司会者が言葉巧みに、集まった人に景品などを配りながら手を挙げて「ハイ」と声を出す練習をさせる。ある程度客が乗ってきた頃に、司会者が手にした品物を「通常千円のところ今日はなんと百円、欲しい人」と大声で言い、練習したとおりみんなが大きな声で「ハイ」と返事をしていく。中でも元気の良かった奥さんに「気に入ったのでタダであげよう!」と言ってあげたりして会場を盛り上げる。これを何回か繰り返すうち、会場全体が、早い者勝ちで、この場で買わないと損をするような雰囲気になってくる。実際には、会場には売り手側のサクラがいて、購入したり、手を挙げて「早く手を挙げないと取られる」という雰囲気を作り出している。
そして遂に「羽毛布団、通常40万円のところ今日は半額!」との司会者の声に、催眠術でもかけられたように大きな声で「ハイ」と手を挙げてしまう。はっと金額の高さに気付きやめようとしても、「分割払いでもいい、他のお客さんが次の品物が出るのを待っているんだ」などと迫られ契約書にサインしてしまう。
それ以降出てくる品物はすべて高いものばかり、何か買わないと帰れない雰囲気になっている。
◆ 対策
1)会場に行かないこと・近づかないことが一番です。「ただより高くつくものはない」ということを忘れずにわけの判らないタダ券を受け取った時に「何か裏があるのではないか」と冷静に考えること。
特にチラシや引換券に書かれた会場が、すぐに撤収することができる仮設の臨時店舗の場合は注意。
2)万が一、だまされて買わされてしまっても、催眠商法(SF商法)は、特定商取引法で規制の対象になっているので、クーリング・オフが適用されます。契約書を受け取った日を含めて8日間以内であれば無条件で解約することができます。
クーリング・オフをする場合は電話ではなく、販売業者の名前や契約を結んだ日、それに商品の名前などをはっきりと記して、必ず書面で行ってください。
ただし、同一箇所で、一定の期間にわたって開催している場合は、特定商取引法の適用除外になることもあるので、注意が必要です。
3)被害に遭った場合にはすぐに各都道府県の消費者相談センターに相談すること。
暴力をふるわれたり、脅迫的な態度をとられたりした場合は、警察に届けること。大切なことは、「泣き寝入りをしない」ということです。