防犯ブログ

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2006年05月31日 「子供の安全」を守る、子供を被害者・加害者にしない

長崎県佐世保市の市立大久保小学校で、当時6年生の女児が同級生にカッターナイフで切られ死亡した事件から1日で2年となり、同小で「いのちを見つめる集会」が開かれました。
チャットで悪口を書かれた友達をカッターナイフで斬りつけ殺害・・という悲惨な事件でした。

「子供を失って時を経ても苦しさが増し、戸惑っている」という被害者女児の父の手記と共に、加害者女児の父が手記を発表し、改めて「子供の教育をどうするのか」「子供の安全をどう守るのか」といったことを考えさせられました。

加害者の父の談話には、“被害者遺族への謝罪と冥福を祈る気持ち、一生をかけて罪を償っていくという決意とともに、我が子が重大な事件を起こして加害者になるとは想像したこともなく、連絡を受けても最初は信じられなかった気持ち”などが記されていました。

長崎の事件以降にも、父親にしかられた腹いせに自宅に放火して妹が焼死した少年や、母親を殺害した高校生、写真店主を殺害した高校生などほんとうに多くの少年犯罪被害が発生しています。
怒りの心をセーブできず、それが殺人や放火に直結する「心」に関して、今教育の現場はもとより家庭においても真剣に考え、対応していくことが必要だと感じます。

少年犯罪というと、「家庭に問題がある」とか、「個人の資質の問題」などと端的な結論をいうきらいがありますが。もっと複合的なことが原因ではないかと感じられます。
「命の大切さ」「自分も他人も同じ命であること」などを家庭・学校でもう一度徹底することも必要でしょう。

地域でのコミュニケーションの希薄が犯罪多発の原因の一つになっていますが、コミュニケーションの希薄さが家庭内でも発生していないかも考える必要があります。
核家族になって、家族の人数が少ないために一人と関係が悪くなると家庭そのものに居場所がなくなるという面もあるのではないでしょうか。

昔は母親にしかられてもおばあちゃんに甘えられた・・。今は父親は夜遅くにならないと帰ってこないし、子供の人数が少ないので親の干渉は増えている。また、母親も外に働きにいっているのですれ違いでたまに顔を合わせた時のみ話をするなど、家族の会話が減っていないでしょうか。

毎日笑顔で親子間で会話ができているか、友達のこと、学校のこと話せる環境にあるか、ストレスを発散させることができる楽しみを持っているか、心を許せる友人がいるかなど、我が子のこと、我が子との関係も含めもう一度見直してみていただきたいと思います。

犯罪を犯した子供たちの中には、「親にしかられて・・」というのが引き金になっていることも多いです。「しかり方」も、親に余裕がないと逃げ場がなくなるしかり方になってしまいます。

子供の安全は被害者にならないこととともに、加害者にしないという両面での取り組みが必要だと思います。

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