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2006年07月31日 65歳以上の高齢者の万引きが増える。

ちょっと気になる犯罪情報です。
犯罪で逮捕、検挙される65歳以上の高齢者が増えているというのです。
特に、スーパーや量販店で万引きをするケースが圧倒的に多いとのことで、群馬県では今年上半期に検挙された高齢者の8割以上が窃盗容疑(未遂を含む)で、そのほとんどが万引きだったとのこと。  
群馬県警刑事企画課によると、今年1〜6月に県内で検挙された1917人のうち、65歳以上の高齢者は247人(12・8%)。統計を始めた88年の検挙総数4094人に対し高齢者は75人(1・8%)で、人数、割合とも増加の一途をたどっています。今年の検挙者数は昨年の470人(10・0%)を上回るペースだということです。
 検挙された内容は、今年上半期の8割以上にあたる206人が窃盗容疑。なかでも万引きが175人と大多数を占めています。
 この傾向について同課は「年をとり体力的に空き巣も難しくなった元泥棒が多いのでは」と分析。また、定年退職で収入がなくなるなどの経済的な問題も一因とみています。

この傾向は全国でも見られております。

スーパーマーケットでも近年、警備員が高齢者の万引きを発見する回数が増えています。
年金暮らしで食べるものを買うお金がないのではないか・・と思う方もおられるでしょうが、普通に買い物をした上で、おにぎりやパンなど総額500円以下の数点を万引きする高齢者が目立っています。
「時間とお金に余裕のある人が目立つ。理由を聞いてもはっきりしないことが多い。スリルを味わいたいのかもしれない」と店側は推測しています。

背景について群馬大社会情報学部の森谷健教授(地域社会学)は下記のように指摘しています。
(1)所得が二極分化し、低所得層の高齢者の負担が大きくなっている
(2)高齢者の孤立化が進んでいる

「居場所を失い、自己確認のためスリルを求めているのでは。家族や地域が高齢者を孤立させないことが大事」ということです。(毎日新聞7月30日記事より抜粋)

65歳以上のお年寄りというと、戦前・戦中派でモノのない時代を経験されている方々です。
食べるモノがない・・という辛い時期を過ごしてきた人にとっては、今のモノがあふれている時代、飽食の時代がどのように映っているのでしょうか?

「スリルを味わうため」「年をとって体力がなくなった泥棒」「食べるものを買うお金がない」
どの理由であったとしても高齢での逮捕・検挙はそれまで培ってきた信用や人間関係など多くのモノをなくし、体力的にも精神的にも非常に厳しいものがあると言えます。

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