防犯ブログ

  • 犯罪情勢
2006年10月23日 「50〜60歳代」の男性の万引きが急増。

産経新聞にちょっと気になる記事がありましたのでご紹介します。
「50〜60代の男性の万引きが急増している」というのです。
警察庁の調べによると、昨年までの10年間で50代の万引検挙人数は、7700人から1万4600人に、60代は7300人から1万5500人に倍増。約2倍近く伸びているんです。
万引き総数が7万4700人から11万3900人に増えていますが、その伸び率は目立っています。

多くが1000円にも満たない日常雑貨を万引き、財布の中にはお札が詰まっており、「なぜそんなことをしたのか説明ができない」と捕まって話す男達は、社会的地位のある人が多いといいます。

●5月下旬、富山市内のホームセンターでNHK富山放送局長(54)がボールペン、カミソリ、整髪料…いずれも1000円に満たない品物ばかりを万引き。停職3カ月の懲戒処分を受け、退職願を提出。

●警視庁公安2課長(55)は5月末、東京都八王子市内のホームセンターで、瓶入り塗料2本(計約800円相当)を万引し、駐車場で警備員に見つかった。警視庁幹部である同課長は「なぜこういうことをしたのか説明できない」と話したという。停職1カ月の懲戒処分後、辞職。

2人とも、年収は1000万円をくだらない安定したエリートでした。それなのに、わずか数百円の商品のために、人生を棒に振ってしまいました。

なぜ、50〜60代の男性で万引きが急増しているのでしょうか?
いろいろな人がいろいろな説を話しています。

★富山のホームセンター店長:「年収が高い年配男性は金銭感覚がまひしているのではないか。会社の部下や奥さん任せで、自分で買い物をする習慣もあまりないから、自分の物と他人の物の境界線が消えてしまうのだろう」。捕まえた年配男性から「金を払えばいいんだろ」とお札を投げつけられたこともある。

★中部地方のある警察官:「中高年の万引の原因の一つに家庭のストレスがある」。「子育ても終わり、夫婦の会話がないので、『女房を困らせよう』と万引した男を調べたことがある」と証言する。

★犯罪心理学に詳しい井上敏明・芦屋大学特任教授(臨床心理学博士):「万引は社会の厳しさを知る少年の通過儀礼だが、50代、60代は少年時代に物がなく、道徳律も厳しかったため万引ができなかった。豊かな時代になり、人生も成功し、これまで抑えてきた欲求がはき出される一種の退行現象ともいえる。まじめで抑制型の人は注意が必要だ」。

「万引きが社会の厳しさを知る少年の通過儀礼」というのは疑問ですが、社会的地位の高い人が極度のストレスのためにというのは理由として理解できます。
又、男性にも更年期がありホルモンバランスの乱れから「自律神経失調症」になることも多いと聞きますのでそれにストレスが重なり、冷静な判断ができない状態になっていたというのが私の推測です。

しずれにしても万引はれっきとした窃盗罪。
「10年以下の懲役か50万円以下の罰金」が科される犯罪です。
社会的立場と収入を失うだけで済みません。“保護者”として店に呼ばれた妻や子供は、店員に平謝りすることになり、それまでの一家での地位は一瞬になくなります。
一家の大黒柱の不祥事に泣き出す妻や、店員の前でけんかを始める夫婦もいるなど、家庭崩壊の危機に陥るケースも多いといいます。

社会でも、家庭でも居場所がなくなってしまう・・・そうなる前に、ぜひストレスを軽減し、家族間の日頃からのコミュニケーションを充分に取りましょう。本人が気づかないことも多いようですので、旦那様の様子にもっと関心を持ってちょっとでも変わったことがあったら声をかける・・ということが必要です。

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