防犯ブログ

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2006年10月27日 「盗電」 電気を盗む。

「窃盗」の対象は現金や貴金属や商品などだけではなく自動車、家電製品や仏像、銅線材・・と身の回りのものがほとんど対象となる時代ですが、いずれも「目に見えるモノ」ですよね。
ところが最近新聞などを良く読んでいると、「電気」を盗む「盗電」というのがあり、逮捕された・・といった記事を見つけることができます。

携帯電話で彼女と通話中に電池が切れそうになり勝手に電柱から充電したり、勝手に店のコンセントから充電したり・・といった犯罪とは意識せずに行う場合ばかりかと思いきや、計画していっているものも多いのです。

 15日、函館でイカ釣りに必要な照明器具の電源を得るため、北海道函館市が管理する岸壁の水銀灯から電気を盗んだとして、トラック運転手の男(41)が逮捕されました。
 調べでは、男は同日午後5時ごろから約40分間、函館港北ふ頭正面岸壁にある水銀灯の安定器に電気コードを接続。コンバーターで100ボルトから12ボルトに変圧し、12ボルトの80ワット電球2個を付けたさお立てにつないで点灯させ、同市の電気を盗んだ疑いです。

外国に目を向けると「盗電」のスケールは大きくなります。

 ベトナムのホーチミン市電力公社は、増え続ける電気泥棒の被害に頭を抱えています。このほど電力公社の職員がある民家の電気料金メーターに通常の半分しか回転しないように細工がされているのを発見。これまでに電気料金の半額を踏み倒してきた住民に7000万ドン(約50万円)の追加納付が命じられました。

 このように個人が節約を狙って機械を設置するパターン以外に最近特に目立つのは、電気盗難を専門とする犯罪組織が一般人に電気代節約用の機械だと嘘をついて機械を設置させるものです。
この場合、当の住民は知らないうちに犯罪行為に加担させられた上、思いもよらない追加納付を求められることになります。中には2億ドン(約143万円)もの未納電気代の借金を背負わされた人もいるそうです。現地の通貨価値から換算するとものすごい金額になるのではないでしょうか?

 さらに電力会社の人間を装って住民の未納電気代を徴収して横取りする卑怯なやり口も横行しているため、電気代の節約をうたった機械を安易に購入しないよう警戒を呼びかけられているということです。

 急成長する産業にインフラが付いていけていないため電力不足のための停電も日常茶飯事となっているお隣中国では、電力需給のひっ迫。近年、電力盗難事件が多発しており、深刻な電力不足に拍車をかけています。

実際に発生した大きな事件としては、国家プロジェクトである西電東送(西の電力を東に送る)」の甘粛(かんしゅく)区域で大規模な盗電事件が3件発生しており、直接的な経済損失額は280万元、近隣の農村で600万戸が6日間の停電を強いられました。
6日間停電・・・最近東京で数時間の大規模な停電でも大問題になっていましたが、6日間となると想像もできません。

「盗電」・・弊社の元電気小僧が言うには「ちょっと電気の知識があればやる方法はいくらでもあります。(2〜3例)でも、私はしませんよ。だって完全に窃盗犯になりますから・・・。捕まりたくないから・・・。戦後日本でも日常茶飯事に行われていたみたいですよ。」と話しています。

先にご紹介した携帯電話の充電やイカ釣りの電気盗難など被害金額は数十円ですが、犯人は「窃盗犯」として逮捕されました。金額の大小関係なく厳しく対応されます。

先日、兵庫県高砂市の造成中の公園から銅製電気ケーブル約1200メートル・重さは8トンを盗難されるという被害が発生しました。電力会社は電力そのものが盗まれる・・という可能性に対しても対策を考えることが必要になるのではないでしょうか?

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