防犯ブログ
- 金属盗難
2006年11月06日
銅や鉄の盗難 まだまだ全国で相次ぐ
全国で相変わらず「銅や鉄を盗む」犯罪が多発しています。
11月5日午前11時頃、京都府井手町多賀の電気設備店で、男が敷地内から電線の束を盗んで自転車で逃げるのを近くの人が発見、110番通報しました。
男性は車で男を追いかけ、約20分後に町内で発見。駆けつけた警察員が窃盗容疑で逮捕。盗まれた電線の重さは計73キロもあり、しんは銅ということです。
井手町内では今年6月から7月にかけ、被覆銅線などを焼いて内部の銅を回収したとみられる野焼きが相次いで発生していました。
神奈川県では3日午前零時20分ごろ、川崎市麻生区五力田のマンション駐車場入り口で、4人組の男が側溝のふた6枚を盗んでいるのを、警戒中の神奈川県警捜査3課などの捜査員が見つけました。
男らは車で逃走したものの、約40分後に東京都世田谷区の東名高速上り線で、追跡した捜査員に窃盗の現行犯で逮捕されています。
4人は「引き取り業者に売れば金になると思った。30回ぐらいやった」と供述。
ふたを1キロ当たり150円で転売し、約100万円の利益を上げていたということです。
このような側溝にはめる格子状の金属製のふた(グレーチング)が盗まれる事件は鋼材価格が高騰し始めた04年頃から、同様の被害が西日本(兵庫県尼崎市、大阪市、京都市)を中心に急増しています。
9月下旬から横浜市内でも相次ぎ、計30件以上184枚(約460万円相当)が被害に遭っています。
また、北海道当別町では7月上旬、電柱に取り付けられた電線が200メートルにわたって2本盗まれました。
4月からの北海道内での被害は総延長約2キロに及び、街路灯が停電するケースもあったということです。
一連の事件について捜査関係者は「鋼材の“中韓特需”が背景の一つ」とみています。
中国は経済成長による建設ラッシュや2008年の北京五輪開催準備、韓国はスクラップになる古い建物が少なく国内の供給源が乏しいため、需要が急増しているとのこと。
01年は鉄1トン約6000円で取引されていましたが、04年に約2万3000円まで跳ね上がり、現在は過去最高の2万8000円。腐食に強く、スクラップにしても強度が変わらないステンレスだと、1トン20万円で買い取る業者もあるということで、そのあたりがこの銅や鉄の盗難の背景にあります。
盗品は中古品として転売されたり、輸出されているのではと考えられています。
盗まれる場所としては、マンションの側溝にはめる格子状の金属製のふた(グレーチング)、資材置き場の線材、線路、電柱の線材、ビニールハウスなど。
一体全体どうして盗めたのか?と思われるほど重機を使った大掛かりな窃盗被害もあります。
なんといっても重いですから運び出すのも大変です。
ただ前述したように価格が高騰しているため、窃盗団が暗躍しているようです。
何組か逮捕されていますが、まだまだ氷山の一角に過ぎず、注意が必要です。
やはり敷地内に不審者が入ったのをすぐに知って、威嚇撃退するということが最も重要でしょう。
現状無警戒な場所がほとんどで、窃盗団にとっては、お宝が屋外に置かれている・・という非常に盗みやすい環境なわけで、ここを変えることが必要です。