防犯ブログ

  • 泥棒小話
2007年01月30日 耳が聞こえなくて良かった

1月25日(木)岡山県和気町公民会にて岡山県消費生活問題研究協議会が主催のセミナーがあり、10時〜11時45分まで「住まいの防犯について」ということでお話をさせていただきました。
最近の犯罪の傾向について、岡山県での犯罪の特徴、最近増えている泥棒の手口、泥棒が下見で見るところ、どうすれば泥棒の被害に遭いにくいか、詐欺の手法と対策といった内容に関してお話をさせていただきました。
皆様非常に熱心に聞いていただきましたが、泥棒の被害に遭ったことがある方4名、振り込め詐欺の電話がかかってきたことがある方2名・・とやはり犯罪の波はこんな一見穏やかな農村にまで及んでいるのだと感じました。
「今日玄関の鍵をかけずに家を出た」という方が5〜6名、「お風呂場やトイレの窓を開けている」になると数十人ということで「無施錠」からの侵入がいかに多いのかということをまず知っていただくことからお話しました。

講演会終了後、優しそうなおばさまがわざわざ話しに来てくださいました。
先日知り合いの家に侵入強盗が入ったそうです。

その侵入強盗はのどが渇いていたので冷蔵庫の中からジュースを出して飲んでいたそうです。
するとそこにその家のおばあちゃんがやってきました。

無人だと思って侵入していた強盗はびっくり仰天。
しかし、そこは強盗ですから「金を出せ」と脅したようなのですが、そのおばあちゃんは耳が遠かったそうです。
何度か聞き直しながら、「ジュース飲むんだったらグラスに入れたほうがいいわ」とグラスを出し、
「ご苦労さんやね」と親戚の人と間違っているのか、ニコニコ話し掛けていたそうです。

最終的にその侵入強盗は何もとらず、おばあちゃんに何も危害を及ぼすことなくその家から立ち去ったそうです。

「やっぱり大きな声とか出さず騒がなかったのが良かった。耳が遠かったのが良かったんだね」とそのおばさんはおっしゃっていました。

「防犯対策」を話をすると、「こんなに世の中危険」と恐怖心を煽るような内容に陥りがちです。
確かに体感治安は悪化しており、犯罪も凶悪化しているので何も対策をしないのではなくきちんと対策をすることは必要です。
しかしその一方で、「人を見たら泥棒と思え」というのは非常に悲しいことです。
その感覚を忘れずに防犯に携わることも必要だと感じます。

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