防犯ブログ

  • 侵入手口
2007年03月20日 白昼堂々、2億円の金塊強奪

「何してるんですか、困ります!」。必死で止める従業員を突き飛ばし、白昼堂々、2億円相当の金塊を強奪した男たち。
「まさか営業中に・・・」。被害に遭った岐阜県高山市の博物館の支配人(38)は愕然(がくぜん)とした様子だったようです。

同館は営業中、普段から支配人と女性従業員2人の計3人態勢で、警備員は雇っていませんでした。
犯行は、支配人が約1キロ離れたバス停にお客さんを送迎するため外出してから約5分後で、館内は女性従業員2人だけでした。

不審な音がしたため、うち1人が2階に駆け上がると、男3人が金塊を運び出そうとしていました。
「何してるんですか」と叫ぶと、男らは女性従業員を突き飛ばし「黙っとれ」と恫喝(どうかつ)。
バールで殴られそうになった女性従業員は、非常階段から逃げ出し、近所の飲食店の男性に助けを求めました。

同じころ、1階の受付にいたもう1人の女性従業員も異変に気付き、電話の受話器を取ろうとしました。
しかし、侵入してきた男に突き飛ばされ、「床に伏せてろ」と命じられました。
館内の床や階段の壁は、金塊を引きずった傷跡がくっきりと残っていました。

同館には陶磁器、象牙細工、化石など美術品や装飾品が展示され、
金塊は「手で触れてごらんいただけます」を“売り”に人気を集めていました。

支配人は「白昼堂々と持っていかれるとは予想していなかった。女性従業員が2人しかいないすきを狙ったかも。2億円という額も大きいが、営業にも打撃で、返してほしい」と訴えました。

専門業者の話では、盗品や強奪品の金塊を現金に換えるのは難しいということです。

奈良市の貴金属買い取り業者は
「金が持ち込まれたら、出所について詳しく調べる。形が変わっていれば盗まれたものか分からなくなるが、そもそも金を溶かして形を変えるのは素人には難しく、地金業者に持ち込んだ時点で足がつく。正規のルートでは処分できないのではないか」
と話しています。

2億円の金塊がありながら、警備員もおらず、支配人と女性従業員2人だけの態勢というのはあまりに無用心すぎます。
又、金塊を手で触れることができるというサービスを売りにするにはそれなりの防犯対策が必要だと思います。

テレビなどでも億を超えるような貴金属を紹介する場合は、必ず警備員も登場します。
そういう警備員がいないことで、気軽に金塊に触れて楽しめるということを目的にしていたかもしれませんが、泥棒からみたらおいしい物件とみられるでしょう。

支配人はお客さんをバス停に送っていく、その間女性2人だけになる、事前に現場を訪れて調べていれば容易に分かることです。

白昼堂々の強奪事件なので、仮に監視カメラが設置され、警備員が常駐しているなどすれば防げたか断言することはできません。
しかし、少なくとも現状の態勢と比べると、泥棒のターゲットになる可能性は確実に下がるはずです。

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