防犯ブログ
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2007年04月27日
ネットカフェ難民の悪のサイクル
インターネットカフェに寝泊りして低賃金の派遣労働などをしながら暮らしている若者たちを、「ネットカフェ難民」と呼ぶそうです。「不可視(見えない)のホームレス」ということでこのネットカフェ難民の急増が社会問題化してきているようですが、その背景に、秋葉原の電気街を舞台にした特殊な事情があるようです。
秋葉原の電気街を管轄する万世橋署管内で昨年1年間に店員や警備員に見つかって突き出された万引犯は225件で、前年の118件から一気に倍増しました。だが、万引は見逃されることも多く、警視庁は「摘発は氷山の一角」とみています。
そして万引したゲームソフトやDVDは、同じ秋葉原内の中古品販売店に転売されます。古品の買い取りを行う店は推定で400軒超。ゲームソフトやDVDは、数日で飽きて売りに来る客も珍しくないため、「盗品かどうかは見分けられない」(中古品専門店)。その他、盗品を「数店舗に分けて売る」「1万円以下の商品を狙う」といった注意を払って万引き犯は換金を行います。1万円を超す中古品の売却には身分証の提示や住居などの帳簿への記載が必要になるためです。
昨年、店側が盗品と気付いて通報したケースはわずか4件でした。そうしたことが犯罪を増長しています。
換金したお金でネットカフェで寝泊まり→メード喫茶などで得た金を消費−というアキバで完結する犯行のサイクルが生まれているようです。
警視庁が摘発例を分析したところ未成年の犯行は2割に過ぎず、大半が20代の成人でした。
さらに6〜7割が無職で、盗品の転売で生活費を稼ぐ“プロ”の犯行が多数を占めることが分かりました。
ネットカフェ難民は住所不定。人間関係も希薄ですので、そうしたことも摘発を難しくしているのかもしれません。
ネットカフェ難民の実態調査に厚生省や市民団体が着手しはじめました。
住所不定、日雇いといった生き方をしている若者に支援が必要なのかを調査することが目的です。
簡単に「格差拡大の象徴」などといった決め方をするのではなく、何を考え、何が原因でそうなっているのかをきちんと見極めると共に、簡単に万引きなど労働以外で収入が得られないようにしてしまい、「働くことが生きるために、食べるために必要」と感じさせることが大切だと思います。