防犯ブログ

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2007年08月27日 「絶対に切断できないチェーン」開発

警察庁によると、昨年の自動車盗の発生件数は3万6058件。
そんな自動車の盗難に遭った被害者らの声を集めた“最強”の盗難防止用チェーンの開発に、
兵庫県姫路市の製鎖会社「衣川製鎖工業」(衣川良介社長)が取り組んでいるとの記事が
産経新聞にありましたのでご紹介いたします。

この会社は昭和10年創業の老舗で、船舶用鎖などの製造を手がけてきた鎖づくりのノウハウを生かして平成13年、
バイク用盗難防止チェーン「かて〜な」を発売し、3000個を売るヒット商品となりました。

バイク用チェーン製造のきっかけは、相次ぐ盗難被害に悩んでいた阪神間のライダーズクラブからの「切断できない
チェーンを作ってほしい」という依頼でした。

試行錯誤の末、衣川社長が出した結論は「切れない鎖はない」。

しかし、切断に時間がかかり、1種類の工具では切断できないよう工夫したチェーンを完成させました。
発売から約5年半たった昨年末、“被害ゼロ”の記録が途絶えたましたが、被害状況の調査結果で、
ユーザー側に使用上の誤りがあったことがわかりました。
チェーンの切断には1時間半以上を要したことが判明。“敗北”は逆に信頼を勝ち得ることができました。

この発想は防犯の基本的な発想です。犯罪者は侵入に時間がかかることを非常に嫌がります。
又、簡単に犯行が終了することを望みます。なぜなら時間がかかればかかるほど「人目につく可能性があるから」です。
この衣川社長は職人魂をかけて、切れないチェーンに近づけようとしたところが、官民合同会議などで決定した「防犯建物部品」と同じ考え方の防犯効果の高いチェーンになりました。
(防犯建物部品は侵入行為5分も持ちこたえるというものです」

衣川社長はそのノウハウと自信をもとに、今度はタイヤや車軸などにつける自動車盗難防止用チェーンの商品化に
チャレンジするそうです。
そして、 「同じ車種でも駐車環境は1台ずつ違い、被害状況も1件ずつ違う」と考え被害者の体験談や
アイデアをインターネットや電話などで集め、商品化する際の参考にするというユニークな方法を取り入れ、
製造することにしています。「被害者ならではの貴重な意見や反省点がある。
そうした声を取り入れたら被害に遭うことも少なくなるのでは」ということです。

これも素晴らしい着眼点で、犯罪者の手口などを防犯商品開発に活かすということを実践しているわけです。
年内にも商品化する見込みということで、こういう骨太な商品は非常に好感が持てますよね。

但し、最強チェーンも防犯上完璧というわけではありません。バイクごと、車ごと持ち去るという手口もあります。
それを防ぐためにはバイクや車を駐車させる駐車場の防犯対策も必要となります。
防犯監視カメラ、防犯灯、侵入検知センサーなどで侵入者をすぐに検知する、監視・録画するといったことが重要です。
またそうした防犯システムをいかにうまく犯罪者に見せて「抑止効果」を得るかということも大切です。

せっかくの最強チェーン。それを使用しているということがバイクを見たとたんに判るようなステッカーは貼っているのでしょうか?
もしまだならぜひとも「抑止力」として採用いただきたいと思います。

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