防犯ブログ
- 侵入手口
2007年09月03日
まだまだ続く「金属盗難」。電線、エアコン室外機・・。
相変わらず、全国で「金属盗難」が多発しています。
●橿原署は31日、橿原市北妙法寺町、無職、男(55)と妻(36)の両容疑者を窃盗未遂容疑で緊急逮捕。調べでは、男は同日午後10時半ごろ、同市内にあるアパート2階の会社員(35)宅で、エアコンの室外機を盗もうとした疑い。「部品の銅を売って、お金にしようとした」と容疑を認めているという。県内では室外機が盗まれる事件が相次いでおり、同署は関連を調べる。
●山形県南陽市元中山で高さ約10メートルの電柱から東北電力米沢営業所(伊藤吉里所長)管理の電線が盗まれたと31日、同営業所から南陽署に届け出があった。同署は窃盗事件とみて捜査を開始した。ことし5月下旬から8月31日午後零時ごろまでの間、長さ計約200メートル、重さ計約42キロの銅製の電線3本(約2万円相当)が盗まれた。
●山形県白鷹町黒鴨の町道側溝に敷いてあった鉄製のふた108枚(37万8000円相当)が盗まれたと30日、町から長井署に届け出があった。約14キロ区間内の84カ所で盗まれ、主なふたは長さ1メートル、幅30センチ、重さ約30キロで格子状。最後に作業した10日正午ごろは異常はなかった。この町道では6月下旬から7月31日までの間、側溝のふた68枚(23万8000円相当)が盗まれている。
まだまだ残暑厳しい時に、エアコンの室外機を盗まれた方は、ほんとうに困ると思います。
従来の金属類の窃盗といえば、鉄筋加工会社の資材置き場などから盗む、のが典型例でしたが、前例以外にも、半鐘、滑り台、ポスト、ゴルフ場を囲っていたステンレス製チェーン、道路側溝の鉄製ふた、車止め、墓の線香立て・花入れ・・とありとあらゆる金属製品が盗まれています。
警察庁の調べによると、06年に金属類の窃盗が5,701件発生し、その被害総額は20億円。しかし、検挙できたのは1,562件(444人逮捕)にすぎず、70%以上の窃盗は未解決のままです。
06年に金属窃盗が606件と全国でワースト1だった大阪府。07年2月までの2ヶ月間で316件、総額7,000万円相当と、金属窃盗事件が早くも昨年の半分にまで達しました。大阪府警は07年3月9日に全国初の専従チーム「金属材窃盗事件対策室」を設置するなど、防犯対策に追われているということです。
くず鉄、銅などの価格が高騰する「メタルバブル」は08年の北京五輪や10年の上海万博を控えた中国の建設ラッシュが原因とされています。そして換金する上で、普通の鉄くずと盗品とは見分けが付けにくいこと、盗品を売るための裏のルートがあることが「金属盗難」が減らないことの理由でもあります。取り扱う業者の中には、やばい盗品とうすうす感じていても取引をしていまうこともあります。『やばいものは、直接港に持って行けば、ブローカーがそのまま引き取ってくれる』と明かした」
といった話も朝日新聞で紹介されていました。
どの警察でも金属盗難の防犯 対策を強化していますが、なかなか対象が限りなく多いこと、範囲が広域であること、外国人を含む窃盗団からニュースなどを見て真似をした素人泥棒までいて犯人を絞り込むことが大変であること、盗んだ場所からすぐに高飛びするため捜査が全国に及ぶことなどが、なかなか防犯 対策が進まない理由で考えられます。
いずれにしても「防犯」の基本は、敷地内 (エリア)に不審者を入れないこと。つまり、外周警戒が重要になります。
「あんなモノが盗まれるなんて・・・」という金属盗難の被害に遭わないためにも、防犯 対策を進めていくことが重要です。