防犯ブログ
- 侵入手口
2007年09月28日
5階の窓から侵入?百貨店宝石売り場の窃盗事件の手口
26日午前9時25分ごろ、神奈川県藤沢市南藤沢の小田急百貨店藤沢店5階の宝飾品売り場で、ショーケースの鍵が数か所壊され、貴金属や宝石類が盗まれているのを出勤してきた店員が見つけ、警備員が110番通報しました。
被害は約630点、約2億円に上ります。
その侵入手口は?というと、同百貨店の5階の窓ガラス(縦1・2メートル、横1メートル)は三角形状に割れていました。
そこが侵入口になったものと思われます。
5階には広告用の横断幕を掲げるための足場があり、犯人はこの足場を使用して5階の窓から侵入したと推測されます。
割れた窓がある正面外壁はJR藤沢駅に面し、「秋の北海道物産展」と書かれた垂れ幕(縦17メートル、横5・4メートル)がかかっていました。
裏には支柱が1・8メートルおきに壁面に沿って立っていることから、犯人が支柱を登ったうえ窓ガラスを割って侵入したとみられます。
警察では「スパイダーマンではないので支柱をつたって外壁を登ったのだろう」とみており、店内に設置されていた防犯カメラの解析を進めています。
店内は警報機はなく、犯人は内部事情に詳しかった可能性もあるということです。
そうでなくても、百貨店は昼間堂々と犯人グループが下見をしていたのではないでしょうか。
防犯警報機の有無や防犯監視カメラの向きなどをきっちり確認していたのではないかと思います。
百貨店の男性店員(51)は「まさか5階の窓を割られるとは思わなかった」と驚いた様子だったということです。
貴金属売り場の周囲には仕切り板が立てられ、客に臨時休業を知らせる紙が張られているということで、百貨店にとっては盗まれた宝石以上に大切な信用をなくしたのではないでしょうか?
百貨店や大型量販店の宝石時計売り場が何件も窃盗団にやられています。
アーケードから窓ガラスを割って侵入したといった手口が多いのですが、どの場合も、しっかり宝石類は盗まれ、被害金額は数千万から数億円と非常に高額です。
つまり、窃盗団にとっては「ハイリスク、ハイリターン」な先であることは間違いなく、今後もまだまだ狙われるものと思われます。
先日も窃盗団のメンバーである中国人が逮捕されたとのニュースがありましたが、まだまだグループのメンバーは多く、またどんどん新規に増えていっているのではないかと感じられます。
防犯対策に「まさか・・!」は禁物です。
つまり「ここは入られないから安心」と何の根拠もなく思い込んでしまうことがもっとモ危険なことなのです。今回は足場を使用して侵入していますが、足場がなくとも「スパイダーマン」のようによじ登った事例もあります。
5階であろうと、何階でも侵入方法はあるのです。
「入り待ち」といって、昼間営業時間中に客を装って入店して天井などに隠れて夜犯行し、翌日営業時間中に堂々と出て行く・・といった手口もあるのです。
防犯対策として、宝石貴金属売り場などは、防犯監視カメラ(もちろん真っ暗闇でも鮮明な画像の「ディナイト機能付き防犯監視カメラ」)、霧により犯罪を継続させないようにする「フォグガード」、犯人をセンサーが検知したら網を噴射する「ネットガード」、足場やアーケードからの侵入を検知して知らせる「赤外線センサー」などを駆使して、入らせない、万が一侵入されても継続させないことで被害を最小に押さえることが大切です。