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2007年10月11日 100円やすりであっさり解錠 自転車盗、新手口

つめを磨くやすりで鍵を解錠され、自転車を盗まれる被害が相次いでいます。

神戸市内では1年で、この手口を使ったとみられる中高生数十人が窃盗容疑で摘発されました。
かつては、鍵をペンチで壊したり、ドライバーでこじ開けたりする手口が主流でしたが、「やすりは百円ショップで入手でき、持っていても怪しまれない」と急速に広まっているということです。

狙われるのは、馬のひづめに似ている形状から「馬蹄錠(ばていじょう)」と呼ばれるリング型の鍵を付けた自転車です。
駅前の駐車場などで自転車を盗んだとして、中高生の少年数十人が兵庫・垂水両署に窃盗の疑いで摘発されました。

署員が自転車に乗った少年を職務質問したところ、自転車に盗難届が出ていることが発覚しました。
少年らは百円ショップで購入した長さ十センチ程度のやすりを鍵穴に入れて盗んでいたことを認めました。

いずれも単独犯でしたが「ニッパーやドライバーを持っていると怪しまれるが、やすりは目立たない」などと供述の内容が似ているため、県警は中高生の間で急速に広まっているとみています。

鍵メーカーも対策に取り組んでいますが、ホームセンターなどで販売される低価格の中国製自転車の大半が馬蹄錠ということです。
県警によりますと、県内の自転車盗は今年9月末で、前年比横ばいの16177件。
平均し、1日に70件近い被害が出ています。
約6割にあたる9143件の大半が馬蹄錠とみられています。

被害の拡大を抑えるため、兵庫署は10日、初の試みとしてワイヤ状のロック1000個を無料配布し、二重施錠を呼びかける啓発キャンペーンを行うということです。

手軽に購入できる「やすり」を使った新しい自転車盗の手口ですが、兵庫県だけでなく他県にも広がりそうです。
防犯対策としては、単純ですが二重ロックを取り付けるなどして、自転車を盗み出すのに「時間がかかる」ための対策を行うのが有効でしょう。

ただし、ブランド物の高級自転車などは、二重ロック取付の防犯対策だけでは不十分かもしれません。
一旦、泥棒がターゲットとすれば、時間をかけてでも盗み出そうとするケースも考えられます。

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