防犯ブログ
- 犯罪手口
2007年10月22日
札幌の集合住宅などで灯油の盗難が続発 屋外タンク狙い、ローリー横付け
今冬の灯油高騰が話題となる中、札幌市内の集合住宅や事務所の戸外に設置されたタンクから灯油が大量に盗まれる事件が多発していることが分かりました。
北海道新聞が十八日に灯油販売各社に問い合わせたところ、九月以降二十件の発生を確認しました。
各社の見方では、タンクローリー車で一度に五百−九百リットル程度を抜き取る大胆な手口による組織的犯行の可能性が強い。
高騰する灯油の“商品価値”に目を付け、安値で業者に転売している可能性もあり、業界は防犯 装置設置などの対策に追われています。
盗難は、顧客の「ストーブがつかない」との苦情などから判明。白石区で十件、南区四件、中央区三件、東区二件、豊平区一件が確認された。一戸建て住宅の報告はありません。
灯油販売大手のエア・ウォーター・エネルギー(札幌)によると、九月十八日から十月十五日にかけ、供給先のアパート六棟の容量四百九十リットルまたは九百八十リットルのタンクから、一度に四百七十六−八百五十リットルの灯油が盗まれました。
中央区の一棟では、九百八十リットルタンクを満杯にした一週間後に空に。通常使用量から考え、少なくとも八百五十リットル(ドラム缶約四本分、六万八千円相当)が消えた計算。
一高たかはし(札幌)の供給先でも九月二十八日から十月十七日までに五件の盗難が発覚。一件はマンションで、残り四件は事務所だった。同様の報告は北海道エナジティック(同)で一件、別の販売業者でも二件ありました。
札幌ガス(同)は六件の供給先で発生した類似例を調査中。消えた灯油量はドラム缶で持ち去るのも困難で、タンクローリー車を横付けしてホースで抜き取る手口しか考えられないという。被害者の大半は道警に被害届を提出しました。
灯油タンク製造のホクエイ(札幌)によると、タンクのふたは誰でも開けることができるが、盗難防止カバー(約九千円)の設置はほとんどないのが実情。エア・ウォーター・エネルギーは事件を契機に札幌市内のアパートの自社設置タンク約千カ所にカバーを取り付ける方針。一高たかはしは市内の灯油供給先三万軒に注意を呼びかける文書を配布、犯行が多い白石区内のタンクに防犯 カバーを付けることも検討しています。
札幌市消費者センターによると、市内の灯油平均価格は八○円を超え、二○○○年に比べ三〇円以上高い。エア・ウォーター・エネルギーの和田弘社長は「これほど大量で連続した盗難は初めて。給油作業と抜き取り作業の区別が付かないことを熟知した大胆かつ悪質な仕業だ」と憤ります。
タンクローリーで犯行に及ぶとはなんと大胆な犯行です。
これから寒くなり、灯油の需要が増えて行く中でこのような類似犯罪を起こさないように防犯 対策が必要です。