防犯ブログ

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2007年12月17日 長崎佐世保スポーツクラブ散弾銃乱射事件に思う

いつの間に日本は米国のような銃社会になってしまったのか、あまりにも唐突で悲惨な事件が発生しました。
長崎県佐世保市のスポーツクラブで起きた散弾銃の乱射事件。水泳のインストラクターの26歳の女性と犯人の同級生の2人が死亡、6人が重軽傷を負う大惨劇となりました。
プールでは水泳教室が開かれ、小中学生十数人が指導を受けており、観覧席には保護者もいました。水泳インストラクターの女性が子供達を連れて逃げていく・・・。子供達は机の下やロッカーの中にも逃げ隠れしたようです。

長崎市長射殺や愛知県の発砲立てこもり事件がありました。ここ数ヶ月でも暴力団の抗争に市民が巻き込まれ病院に入院中の男性が間違われて銃の犠牲になったり、自宅で銃の手入れ中に幼い子供2人が銃をさわり、2歳の弟が死亡したり・・と悲惨な事件が続いていましたが、今回の佐世保の事件はごく普通の市民生活の場に、無差別に銃口が向けられました。
過去、日本ではほとんど例がなかった犯罪だといえます。
まさかフィットネスクラブで、銃で殺されるなんて被害者は想像にもしなかったでしょう。

この事件で、どの新聞やテレビでも「銃規制のあり方」について述べています。
銃刀法により、本来は狩猟や有害鳥獣の駆除のために認められた制度にもかかわらず、犯罪に使われるケースや暴発事故が絶えない。合法的な銃でも、持ち主がいつ逆上して取り出さないかと、周囲の人は不安でならないと思います。

公安委員会から許可されたライフル銃や散弾銃などの猟銃は、全国で約30万5000丁にも上ります。加えて、暴力団に出回っている違法な拳銃は5万丁とも9万丁とも言われます。つまり、日本は実際には「銃社会」になってしまっていたのです。
平成19年の上半期の銃器発砲事件発生件数は33件と昨年度並ですが、死傷者者は16人と急増しています。
銃器使用事件の認知件数は179件。殺人14件、強盗57件、それ以外108件といずれも増加しています。全国の警察が押収した拳銃は前年同期比13・9%増の四百七十四丁で、既に昨年一年間に押収した四百五十八丁を超えています。

今回の犯人の37歳の男は、正面玄関から発砲しながら侵入しています。男は定職に就かず、夜中に不意に他人の家を訪ねるなど、近所では危険人物に見られていたといいます。
そんな男に県公安委員会は5年前、散弾銃1丁を所持する許可を与え、その後も追加的に、散弾銃2丁と空気銃1丁の所持を認めていました。2700発の弾丸も所持していました。これは、狩猟や有害鳥獣の駆除の目的からは逸脱している数だと誰もが考えるでしょう。警察は適正に審査したとしていますが、形式的な審査になっていたと言われてもしかたがないと思います。

いずれにしても、今回の事件で明らかになったのは、日本は立派な銃社会にもうなっているという現実です。
そして「自分の身は自分で守るしかない」という現実です。
非常に気になるのが、登録して銃を所持している人々の銃の管理方法です。防犯 対策は十分なのでしょうか?
誰が銃を所持している・・というのは近所の方ならわかります。
そうした情報で不審者が銃を盗み出すことも十分にありえるでしょう。
銃を所持する条件の中に、厳重な防犯 体制を行っていることを絶対に入れるべきだと考えます。
防犯 侵入検知システム、防犯監視カメラ・・そうした防犯 システムがついていて初めて管理をしているということになるでしょう。

又、多くの小・中学校には門扉に防犯 監視カメラや侵入検知センサー、遠隔操作のできる電気錠、無線の緊急押しボタンシステムなどがあり何か異常があれば職員室に連絡が入り対応できるし、110番自動通報システムなども設置されています。しかしまだまだフィットネスクラブや塾、予備校、大学などにはそうした防犯システムが付いていません。
今回も逃げ惑う子供とインストラクター。受付時で銃を持っていることがわかった時にすぐに施設内に警告が出せていたら・・と感じます。

先日見たニュースの中で、アメリカでは1日30人の方が銃で死亡しているという内容があり、ショックを受けました。
学校での乱射事件などがあるたびに、アメリカの銃所持が問題になりますが、今日本もそれを追随しているのだと思います。悲しいですが、そういう現実を認識することから我々は始める必要があります。

被害者のインストラクターのお父さんが言った言葉。
「無念の死とか、かわいそうとは思わないでください。大好きな子供たちを最後まで守ったのですから」という言葉のためにもこの事件をきっかけに防犯 対策が進められることを期待します。

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