防犯ブログ
- 放火・火災
2008年10月02日
個室ビデオ店放火で15人死亡。生死の境は部屋の場所。
15人が死亡した大阪・難波の個室ビデオ店。その原因は「生きていくのが嫌になり、ライターで荷物に火を付けた。煙が充満して怖くなり店の外に出た」と供述する46歳男による放火でした。男は同店の個室で自分のキャリーバッグ内の新聞紙に火をつけていました。
生死の境目は借りた個室の場所。15人が死亡した大阪・難波の個室ビデオ店火災の犠牲者のうち12人は火元よりも奥の個室や廊下で発見されています。店の出入り口は2カ所あるものの、個室エリアには1カ所だけ。さらに奥行きが深い"うなぎの寝床"のような構造になっていたため、奥にいた人は一瞬で脱出ルートを失っていました。店内には避難口となる窓や排煙設備はなく、建築基準法に抵触する恐れもあり、救助隊員らは「特殊な構造が被害を拡大させた」と憤っています。
猛烈な炎と熱気を鎮めながら、救助隊員が個室エリアの奥に進んでいくと惨状が広がった。小部屋のソファに横たわり、眠るように亡くなっている人、脱出を試みて力尽き、ドアのそばで倒れている人。ほとんどが30〜50歳代の会社員風の男性で、ビジネスバックが無残に転がっていました。
15人の発見場所は、火元とみられる自販機コーナー近くで3人、それより奥にある個室や廊下で12人。一方、救助された3人は出入り口近くの個室に集中していました。
同店の建物構造が被害を拡大させたと思われます。
●ビデオやDVDを並べた陳列棚エリアと試聴用の個室エリアに分かれている。個室エリアは店内西側の約4分の3を占めるが、店外への直接の出入り口はなく、客はビデオやDVDを店内東側の陳列棚エリアで返却した後、ようやく店外へ出られる構造になっていた。
●個室エリアの通路は幅約1・6〜1・2メートルと狭く、人がすれ違うのがやっと。
●外開きのドアが一斉に開くと通路をふさぎ、避難できなくなる構造。
●このうなぎの寝床のような構造
●消防法が定めた消火器や屋内消火栓、火災報知機などの消防用設備は適正に備えており、消防法上明らかな欠陥は見つかっていないが、窓がない構造の「無窓居室」は、建築基準法で排煙設備を設置するか、防火性能の高い建材を使用するよう定められているにもかかわらず、個室エリアには小さな明かり取りが1つあるだけで避難口となる窓や排煙設備もなかった。
●店内に黒煙が立ち込め、天井や壁が激しく焼損。防火性能の高い建材を使用していなかった可能性が高い。
(10月1日産経新聞より一部抜粋)
このニュースを聞いて、カラオケボックスや新宿歌舞伎町ビル火災を思い出しました。
なかなか進まない防火対策。
火災の場合、火災感知器や煙感知器はある程度火の手があがってから検知するもの。すでに火災は発生してしまっています。
やはり、炎の状態で検知できる炎センサー。
火災発生をできる限り速やかに各個室のお客様に連絡する緊急連絡システム。
確実に建物から誘導するための誘導システム。
そうしたシステムが必要です。
火災・放火対策
カラオケ店・個室ビデオ店防火対策
助かった方が「逃げるころに火災感知器のベルが鳴っていた」と話していましたが、もしそうならそれでは遅すぎます。
火というよりは一酸化炭素など煙が被害を拡大させています。
44人が亡くなった歌舞伎町ビル火災から7年1カ月。
こんどこそ、防火対策、お客様への安全意識が向上すること期待します。