防犯ブログ

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2009年02月24日 仏像や位牌など十数点盗まれる−−笛吹の成就院

また、仏像盗難が発生しています。

22日午前10時ごろ、笛吹市石和町小石和の「六角山 成就院」(笈田(おいだ)正賢住職)の本堂で、仏像や位牌(いはい)など十数点が無くなっているのを住職が見つけ、笛吹署に通報した。本堂西側の窓ガラスが割られており、同署が窃盗容疑で調べている。
 同署や住職によると、盗まれたのは本堂の中央付近に安置されていた武田信重公の位牌など2柱と、善導大師座像、不動明王などの仏像9〜10体。すべて高さ20〜30センチほどの木製。他にも数点の仏像があったが、比較的古いものばかりが狙われたとみられる。
 同寺は普段は無人で、今月15日の正午ごろ、住職が法事を終え施錠して帰ったときに異常はなかった。22日に掃除に訪れた際、被害に気づいたという。
 武田信重(1386〜1450年)は室町時代中期の守護大名で、同寺境内にある墓は史跡として市の文化財に指定されている。
 笈田住職は「仏像は檀家(だんか)の皆様の心のよりどころ。非常に残念で憤りを感じる」と話した。
(2月23日毎日新聞)

何故仏像を盗むのでしょうか?
それは、仏像が高額で換金できるからです。海外や国内のコレクターに骨董店を経由して販売されたり、闇ルートで販売されるようです。
骨董店などに持ち込まれた時、盗品かどうかはわからないことも多いと聞きます。
重要文化財だと資料や写真があるので窃盗が発生した場合に盗品かどうかはわかります。
仏像泥棒は、そうした資料や写真のない、重要文化財以外の仏像の方が換金しやすいので好むようです。
もちろん、年に何件かは自分自身のコレクションにする泥棒も発生しています。

しかし、京都でも多発している仏像泥棒。
この背景には、「日本人の意識の変化」があるように感じます。
昔は、仏像を盗難するなど「罰があたる」と一般の人はもちろんのこと、泥棒も感じていました。
ところが宗教との関係が希薄化してきている今日、仏像は信仰の対象としての意識が弱まり、絵画や骨董品と同じように美術品としての取り扱いに日本人の心の中でもなってきているのではないかと感じます。
罪を感じず泥棒するというのは、泥棒の習性ですが、そこにそうした価値観の変化があり、仏像も単に換金する品の一つになってしまった、ということがあるのではないかと思います。

「仏像は檀家(だんか)の皆様の心のよりどころ」盗まれた・・では澄まされない問題でもあります。
多くの無人寺では、簡単な施錠だけといった防犯対策だけのところもまだまだあります。
仏像盗難以外にも放火、賽銭泥棒、建物へのいたずら書きなど、寺が抱えているリスクは多く、何か問題が発生したら取り返しがつかないというのは同じです。

お寺の防犯の基本は「不審者を近づけさせない」ということ。
そのために、赤外線センサーによる外周警備や建物周囲の警備炎センサーによる放火対策賽銭箱に近づいたら警報が出る防犯システム、夜間でも鮮明な画像を録画する防犯カメラシステムなどを組み合わせすることです。
何か異常が発生した時には、その場でベルやサイレンで威嚇撃退するとともに、ご住職の携帯電話にメールや画像、音声で通報することで被害を未然に防ぐ、最小に押さえることができます。

寺・神社の犯罪事情と防犯対策

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