防犯ブログ
- 侵入手口
2009年03月30日
また、無人寺社から仏像盗難。奈良の3体
また、仏像盗難です。京都建仁寺の仏像盗難犯人逮捕直後だけにちょっと関係者にとってはショックではないでしょうか?
奈良県天理市福住町の明福院(みょうふくいん)と同県宇陀市榛原区の六柱(むつはしら)神社に安置されていた仏像3体がなくなっていたことが28日、県警や関係者への取材で分かった。
いずれも文化財指定は受けておらず、普段は無人状態だったという。奈良県警が窃盗容疑で調べている。
県警などによると明福院では20日ごろ、木製の弘法大師像(室町時代、高さ45センチ)など仏像2体がなくなっていることに住民が気付き県警天理署に届け出た。2月24日に仏像2体が安置されているのを確認しており、堂内に足跡のようなものが残っていたという。
六柱神社でも住民が22日に観音堂の本尊、木製の十一面観音立像(江戸時代中ごろ、高さ1.81メートル)がなくなっていることに気付き、県警宇陀署に通報した。観音堂の入り口3カ所は施錠されていたが、1カ所に、こじ開けた跡があった。2月6日には住民が堂内にある仏像を確認していたという。
同神社では昨秋にも、十一面観音立像の横にあった阿弥陀(あみだ)如来立像など3体が盗まれている。(3月28日 毎日新聞より引用)
昨年も盗まれていたのに、施錠しかしていなかったというのは、なぜなのか、ちょっと驚きです。
これほど世間で「仏像盗難」がニュースなどに取り上げられていて、被害にも遭っているのに。
一度盗まれたから二度目はないと思われたのかもしれませんが、「侵入しやすい、盗みやすい環境」だから泥棒の被害に遭うのです。このままの状態では、又被害に遭う可能性もあります。
泥棒は下見の時点で「侵入しやすく、逃げやすいく、人目につかずに安全に犯行を終えることができる」ということを最重視して犯行対象を決定します。「安全性・確実性・容易性」の3点を重視しているのです。
従って、泥棒にとっては何も防犯対策をしていない寺社というのは非常にターゲットとして最適ということになります。
防犯システムや防犯カメラというのは、それを設置することで、万が一侵入された時には早期発見しベルやサイレンなど泥棒の大嫌いな要素で威嚇撃退することで犯罪を未然に防いだり被害を最小に押さえるという効果があるのですが、それ以上に、防犯システムを設置していることを見せることで侵入者に対し「侵入するのをやめよう」という気持ちにさせ、犯罪対象から外させる効果があります。(そういう効果のある商品を効果がある設置場所に設置する必要があります)
ベルやサイレンというのも「人目につく」可能性が高くなるから泥棒は嫌いなのです。
仏像盗難防止、寺社のセキュリティ対策に関しても基本は同じです。
いかに早く侵入など異常発生を察知し、適確な処理を行うかと同時に、予防として犯罪者が嫌がる環境を作る。
そうすることで犯罪に遭う可能性を低くゼロに近づけさせることができるのです。
「被害に遭っていたにも係わらず防犯対策をしていない」というのは、泥棒にとっては「防犯意識が低い」ということを明確にしめしていることに他なりません。
予算ということもあるでしょうが、仏像としうのは信仰の対象そのものです。
その最も大切なものが盗まれたり、損失すると元に戻すことはできません。
ぜひとももう一度、防犯対策を見直していただきたいと思います。
寺社仏閣の防犯対策
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