防犯ブログ
- 侵入手口(マンション)
2009年04月14日
駅近くの中層マンション専門ドロ。「駅に近いマンション住民はお金持ち」
日本経済新聞 4/14付け記事によると、駅近くの中高層マンションばかりを狙って空き巣を繰り返していた中国籍男(44)を大阪府警捜査三課などが逮捕しました。
調べでは、他の中国人男女5人と2007年1月から08年7月までの間に、大阪、兵庫、東京など一都一府五県のマンションで341件の空き巣を行い、被害総額は約3億3800万円相当。
送検容疑は、07年10月10日大阪府平野区の自営業の男性マンションに窓ガラスを割って侵入し、現金約270万円を盗んだ疑い。
駅付近のマンションばかり狙う理由は、「駅に近いマンションの住民はお金を持っていると思った。」と供述している。
(4月14日 日経新聞より抜粋)
駅近くのマンション住民がお金を持っているというのは、マンション購入代金や家賃が高いことを指しているのでしょう。
それ以外にも、駅近くのマンションは、犯行後も電車を利用して高飛びができる、人通りが多く人にまぎれて逃げることができる、といった泥棒にとっての利点があります。
この窃盗団の犯行手口の特徴はそれだけではありません。4月13日産経新聞によると、
●6人は主にオートロック式のマンションを物色。
●廊下に面した窓の格子を外してガラスを焼き切り、20〜30センチのすき間からメンバーの細身の男が室内に侵入して内側から玄関を解錠。仲間を引き入れる手口で犯行に及んでいた。
●犯行時は、全員がスーツ姿で会社員を装っていた。
とあります。
オートロックのマンションを物色していたのは、オートロックがあるので安全だと、住民の防犯意識が低いからです。
「格子があるからその窓から侵入されない」と多くの人が考えていますが、多くの格子は、外から簡単に外すことができます。
ガラスは「焼き破り」。ガラスを割ったところから手を入れて、クレセント錠を開けて・・・とここまではお決まりの手口ですが、
20〜30センチのすき間からメンバーの細身の男が室内に侵入というのは、このグループの特徴です。
以前17センチの隙間を入った泥棒の話を元刑事さんに聞いたことがあったので、そういう細い隙間があれば侵入されるのです。
スーツ姿というのは作業着とともに、「目立たない」「手口に合った」を狙った泥棒の服装です。
マンションの場合、
● 夜になって室内照明がつかないことで、無人の部屋がすぐに分かる。
● オートロックは共連れといって入居者などと一緒に入ることができる。
● 高層になればなるほど防犯意識が低くなり、窓の無施錠が多くなる。
● 住民間の関係が希薄で、隣の人の顔も知らない、といった無関心な面が犯罪者にとって好都合。
と、泥棒にとっては侵入しやすい環境が整っているのです。
マンションの防犯対策としては、
● マンションそのものに簡単に侵入されないように、防犯カメラを屋外駐車場、玄関外、エレベータホール、廊下、エレベータ内などに設置し、不審者に対して抑止効果を発揮させるとともに、自動録画し事件時には確認できるようにする。(警察立会い、役員全員確認など住民間の運営基準を作ることも重要)
● マンションの外階段に別の建物から簡単に移り侵入されないようにする。
● 防犯灯などを追加し、死角を少なくする。
● 住民間のコミュニケーションを強化する。
● オートロックを過信しない。上階でも侵入されることを意識する。
● 扉・窓には補助錠を設置する。補助錠は見えないように設置する。
● ベランダに赤外線センサーや人感ライトなどを設置する。
● 入居スペースごとに、侵入警戒・威嚇撃退システムを設置する。
といった防犯対策をできるとことから実施します。
マンション全体で、防犯意識を高めることが、犯罪に遭いにくい環境づくりの基本です。