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2010年06月23日
会社に恨みで自動車で侵入、8分間で11人はねる
広島のマツダ工場での惨劇に、驚いた方も多いと思います。
「派遣切り」といった言葉で一時期問題になっていた期間従業員の問題もいつの間にかあまり話題として出ていなかった矢先にこうした惨劇が発生したことで、多くの企業も自社の問題として捉えてくださることを期待したいと思います。
●広島市南区のマツダ工場で11人が車にはねられ、1人が死亡した事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された元期間従業員男(42)が、工場に侵入してから8分間に、敷地内の7カ所で次々に従業員をはねていたことが22日、広島県警の調べで分かった。
容疑者は「マツダに恨みがあった」と供述しているといい、捜査本部は動機を詳しく調べる。
容疑者は22日午前7時38分ごろ、自分のマツダ「ファミリア」で宇品工場の東門から侵入。
最初に2人をはねた後、猛スピードで構内を回りながら2人、1人、2人と続けてはねた。その後マツダ専用の橋をわたり、本社工場に侵入。
2カ所で1人、2人とはねた後、最後に装備A棟付近にいた浜田博志さん(39)をはね、7時46分に北門から逃走した。浜田さんは頭蓋(ずがい)骨と首の骨を折り、死亡した。
侵入から北門を出るまでの走行距離は5キロ程度とみられる。
(2010/06/22 時事通信より引用)
今回、工場への東門、本社工場への門の2箇所がありましたが、通勤時間という事もあったのかもしれませんが、容疑者の乗用車は侵入することができました。
「秋葉原の事件のように無差別殺人がしたかった」という供述のように、包丁まで持ち込み、殺意をもっての犯行でした。
企業のリスクとして、こうした悪意を持った人間による被害ということを考えなければならない時代になってきています。
今回は乗用車でひき逃げ、といった行為ですが、放火や異物混入、窃盗、機密持ち出しなど、元従業員や関係者が会社に何らかの原因で不満を持ち行なう犯罪。テロ行為というのが増えています。
中国の餃子毒物混入も引き金は会社への不満でした。
必要性は認識していてもカギの保管場所を従業員の移動の度に変更している企業は少ないと推測します。
又、暗証番号の変更もその度にしていないところも多いでしょう。
また、入退出管理システムが導入されていても、カードの回収ができないまま出社しなくなった従業員がいるケースも多いと思います。
データをすぐにタイムリーに変更などしていれば問題ないのですが、そうした対応がされていないと、なんのために防犯対策をしているのかがわからなくなります。
今回のマツダの工場の場合、防犯カメラは設置されていたようですが、予防にはつながりませんでした。
ここまでの悪意を持った犯人の場合、犯罪を抑止するのは非常に難しいですが、外周警備システムなどで不審な人や車両を自由に出入りさせないようにするシステムを導入することをお勧めします。
赤外線センサーなどによる外周警備、自動車なども含めたゲート入退管理、防犯カメラなどを連動させることで、従業員以外の侵入を防止することができます。
各施設への入退出管理、防犯カメラなどで、機密持ち出しや異物混入などを抑止するとともに、何か問題が発生した場合には入退出の履歴を記録と画像で確認することができます。
重要なことは、そうしたシステムを導入することで犯罪しにくい環境を作ることです。