防犯ブログ
- 犯罪情勢
2010年08月20日
今、窃盗のプロが狙う換金しやすいブツとは?
カー用品や衣類など、比較的小物を狙う傾向にある素人ドロボーたち。
だが窃盗のプロたちはもっと大規模で効率的です。
プロの窃盗事情に詳しい、とある広域組織幹部はこう語ります。
「今は田舎の山奥にいっぱいあるヤードという倉庫みたいなものが盗みの基点になっているね。北関東ではひと山3万円ほどで借りられるから増えている。設備と言っても、敷地を高さ3mほどの塀で囲って、無理やり水道と電気を引く。そこに鉄板の上にダンプごと乗せると重さが計測できる量りを入れるだけの簡素なもの。外からは見えないから、ここに盗んだクルマや金属資源や家電なんかを置いておくと買いたいヤツがコンテナを持ってやってくる。最近はマスコミ報道が全然ないけど、金属窃盗はまったく減ってない。発電機や室外機、古い重機はもちろん、銅や鉄などの金属資源も相変わらず需要がある。置いておくそばから大量に売れていくからね」
金属盗といえば、最近では工事現場の足場なども狙われているようです。
都内で暗躍する現役窃盗団幹部のIは建築現場盗のうまみをこう語ります。
「俺たちは建設現場で使う階段など足場関係をメインにしている。人けのない建設中の現場に野ざらしにされてるから盗みには好都合。さらには、鉄としても売れるし、本来の足場としても、中古足場専門の業者が買い取ってくれたりする。また、急な仕事の依頼で足場不足に困った建築業者が直に買ってくれることもある」
足場で使う4mのパイプの場合、新品で1本1500円ほどのものが、中古市場では500円ほどの買い取り価格。
4tトラックいっぱいに積んである鉄パイプをトラックごと盗めばパイプで約17万円、さらにトラック自体が数百万円で転売できるため、大きなシノギになるということです。
クルマの窃盗において、プロたちは、ベンツなどの高級車ばかりを盗むと思われがちですが、前出のIはこうつけ加えます。
「今は、買い手が減った高級車より、海外で売れるトラックや重機をメインにしたほうが儲かる。とくに箱バン(=トラック)は、価格が高く、中古でも500万〜1000万円で売れる。高級車のようにセキュリティも厳しくないし。企業ロゴが入ってないやつを狙えば、まずバレないよ」
また、ランドクルーザーなど「海外の粗悪な道路事情にマッチした四駆車」も狙い目だとか。今やプロの市場は海外に向いています。
<週刊SPA!8月19日(木)15時55分配信より>
不謹慎な言い方かもしれませんが、一番参考になるのは現役の泥棒の意見です。
どんな手口を用いるのか、何をターゲットにしているのか、何が割りの良い犯行になるのか、何が嫌なのか、何を避けるのかなどです。
泥棒のターゲットにされているモノを重点的に守り、また、泥棒が嫌がること、避けることを中心に対策を立てれば、非常に効果的な対策となります。
現役の泥棒に意見を聞かしてくれと言っても、それが警察に発覚すれば捕まってしまいますからなかなか実現しません。
逮捕された泥棒の供述が報道で取り上げられることがありますが、もっとその泥棒の意見も取り入れると今後の防犯対策の参考になるものが多いのではないでしょうか。
彼らも自分の首を絞めるような発言は避けるでしょうから、逮捕され、その後、釈放されたら犯行を再開しようと考えていたら本当のことは話さないでしょうし、この辺りは難しい判断になります。
どちらにしても防犯対策を行うなら、相手のことも考えた対策でなければ効果はありません。
自分は効果的だと思っても、相手(泥棒)がそうではないと感じれば、それは失敗に終わります。
自分が相手になったとして考えてみると、効果的な対策、つまり、自分(相手)が嫌だと感じる対策のことがよく分かります。