防犯ブログ
- 犯罪手口
2010年10月26日
後を絶たない人気キャラ像損壊 こち亀両さん、ばいきんまん
■予算ネック 防犯追いつかず
町おこしの一環として、全国各地に設置されている人気キャラクターの銅像・石像などの損壊被害が後を絶ちません。
JR亀有駅(東京都葛飾区)周辺では今春、人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)」の銅像が相次いで被害に遭いましたが、予算の問題から抜本的な盗難・損壊被害の防止策を取ることは難しいようです。
▼夜間用街灯1体だけ
「こち亀」銅像は、亀有駅北口に主人公「両津勘吉(愛称・両さん)像」が平成18年2月に設置されて以降、計11体がお目見え。
銅像巡りはファンの間で人気を集めましたが、今年4月には両さんがサンバを踊る「サンバ両さん像」のマラカス部分が折られ、翌5月には「麗子像」が足元部分から曲げられる被害に遭いました。
「高いもので400万円以上」(商店街関係者)という高額の制作費用がかかりながら、11体の銅像のうち1体に夜間用街灯が設置されているだけで、ほかの10体には防犯対策が取られていないということです。
亀有地区商店街協議会の仲林和夫会長は「防犯対策を考えていたら予算が追いつかない。頑丈でない像は人通りの多いところに置くなどの配慮が限界だった」と明かします。
▼"ゲゲゲ"被害は37件
高知県南国市では昨年末、同市後免(ごめん)町商店街に設置されたアニメ「アンパンマン」のキャラクター「ばいきんまん」の石像の角や、高知空港内に設置されている等身大の坂本龍馬像(発泡スチロール製)の首が折られるなどの被害が連続して発生。
今年1月には松江市に設置されている人気漫画「はじめ人間ギャートルズ」のブロンズ像3体のうち1体が壊されました。
「ゲゲゲの鬼太郎」原作者、水木しげるさんにちなみ、妖怪の銅像などが設置されている鳥取県境港市の「水木しげるロード」では平成5年のオープン以来、盗難・損壊の被害が計37件に上っています。
市都市整備課は「139体の妖怪すべてに防犯対策をとるのは、不可能」とあきらめ顔です。
▼モラル任せに懸念も
立正大学の小宮信夫教授(犯罪社会学)は「お金をかけるのが難しくてもモラルだけに頼るのは無理。夜間のみ周囲にロープを張るなど、いたずらすることを『面倒くさい』と思わせる工夫が必要」と指摘しています。
こち亀の麗子像は強度を高めるため、台座に座って足を組むデザインに変更され、11月6日に開かれる「第4回両さんベーゴマ大会」に併せて除幕式が行われます。
仲林会長は「これまでの被害も、悪意のない過失だと信じている。『こち亀愛』こそが一番の防犯策」と話しています。
<産経新聞10月24日(日)7時56分配信より>
面白半分、あとは転売目的、像の一部でもマニアの間では高額で取引される可能性もあります。
例えば、何度も盗難被害に遭っている像があったとして、盗まれる度に新しい像を建てるとします。
その3代目の像、だとか5代目の像の一部など、面白おかしく取引のネタにされることもあるでしょう。
このような被害に遭うのは、現場が犯行を行いやすい環境にあることも理由の一つです。
予算の関係で防犯対策までは難しいとありますが、やはり計画の段階で、防犯対策も含めた予算を立てるべきでした。
話題になればなるほど、それが壊されたり、盗まれたりする危険性が高くなります。
それをそのまま放置しておくのは危険ですし、いつか何らかの被害に遭ってしまう恐れがあります。
像の周囲をセンサーで取り囲み、その中に入らせないようにする対策もあります。
像に触れてもらうことを目的としないのであれば、触らないようにセンサーで守るのもよいでしょう。
人が少ない夜間だけ警戒を入れるような設定も可能ですので、運用次第で色々な使い方ができます。
また、一番分かりやすい防犯対策は防犯カメラの設置です。
像に近づくファンや見物客に対しても威嚇することはありませんし、壊そうとしたり、盗もうとする犯罪者に対しては犯罪の抑止力として大いに働いてくれます。
高価なものだけでなく、珍しいもの、数が少ないものは犯罪者に狙われます。
人気キャラクターの像となれば、この世に一つしかないものもあります。
そうなると、ファンやマニアにとっては憧れの一品ということになります。
そのファンやマニア達が壊そうとしたり、盗もうとする被害も考えられなくはないですが、それよりもそれらのファンに対して、高く売りつけてやろうと考える犯罪者がいることが危険です。