防犯ブログ
2011年01月11日 工場より青酸カリ含む毒物1.1キロ盗難。
青酸カリ含む毒物1.1キロ盗難=致死量895人分、工場から―栃木県警
●栃木県日光市の古河電気工業日光事業所で、倉庫に保管されていた青酸カリを含む毒物1100グラムがなくなっていたことが7日、分かった。
同事業所は県警日光署に盗難届を提出。金が含まれており被害は時価約280万円に上ることから、同署は転売目的の可能性もあるとみて窃盗容疑で捜査を始めた。
同事業所によると、盗まれたのは電子部品の金メッキに使うシアン化金カリウムで、100グラム入りの瓶33本のうち11本がなくなっていた。青酸カリ179グラムが含まれており、895人分の致死量に相当するという。
(時事通信 1月7日(金)より引用)
工場から895人分の致死量の毒物が盗まれる、という最悪の事件が発生しました。
●日光市の古河電工日光事業所の倉庫から、青酸カリを含む毒物のシアン化金カリウムが盗まれた事件で、所長らが7日、記者会見し「ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」と陳謝。発見した場合、速やかに通報するよう呼び掛けた。倉庫内には、より毒性が高いシアン化カリウムも保管していたが、被害はなかったことから「金が目的だったのでは」との見方も出ている。
◆物色の跡なし
金属カンパニー条事業部の石原淳一製造部長によると、先月29日から5日までの休業中、作業長や職場長が交代で毎日、建物内外を巡回していたが、シアン化金カリウムを保管していた倉庫の施錠などは確認しなかったという。
倉庫の鍵2本は、それぞれ作業長が持っていたり、職場長の机に施錠して保管。ピッキング被害の形跡は「見た限りはなく、他に荒らされた跡もなかった」という。
◆通報に時間
警察への通報の遅れについて部長は「申し訳なく思っている」と陳謝。シアン化金カリウム使用量の記入漏れや置き忘れなどをチェックするとともに、職場関係者8人からのヒアリングに時間がかかったなどと釈明した。この他6人がシアン化金カリウムの存在を知っているが触れる機会はないという。
◆金の抽出狙い?
シアン化金カリウムは金メッキ作業のため、約10年前から使用。「電気分解など多少の知識がないと金は取り出せない」という。被害にあった1100グラムのうち、金は751グラム含有されていた。無臭。気化すれば有毒のシアンガスになるが、粉は飲み込んだり吸入しない限り、問題ないという。また、触って付着した場合でも水洗いすれば問題はないという。
(毎日新聞 1月8日(土)より引用)
毒物にも係わらず、管理方法は錠前、とは防犯意識が低いと言わざるをえません。
入退出管理システムや防犯カメラシステムなどが設置されていれば、犯人の姿を確認することもでき、犯罪の早期発見も可能であっただけに、何も対策がなされていなかったことが残念でなりません。
企業のリスク管理として、犯罪が発生しにくい環境を作ることが必要です。
工場の場合、異物混入、毒物盗難、機密漏洩、放火、従業員の安全対策などリスクは非常に多くあります。万が一何か問題が発生すると、地域住民の信頼を無くし、不安に陥れることとなります。
敷地内への不審者侵入を検知し、威嚇撃退する、予め認めた人間のみ入退出管理ができ、誰がいつ入退出したかが記録される、防犯カメラと連動し録画する、といった方法がお勧めです。
工場の防犯システム