防犯ブログ

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2011年07月14日 「エアコン室外機泥棒」激増中の理由

真夏を思わせる暑さが日本列島を襲うなか、とんでもなく迷惑な泥棒が増えています。
夏の必需品であるエアコンの、それも室外機ばかりを盗むというのです。

6月に愛知県北名古屋市で逮捕された男は、愛知県内で80件もの犯行を繰り返していたという。
男を逮捕した、同県の西枇杷島警察署の副署長に聞きました。

「逮捕したのは30歳の男で、昨年11月頃から廃品回収業を始めましたがあまり稼げず、室外機を盗むようになったと供述しています。実は最近、エアコンの室外機を狙った犯行が増えています。愛知県内では一昨年が160件、昨年は251件と急増し、今年は5月末ですでに275件も発生していますね」

このままのペースだと、一昨年の倍は確実に超えそうだ。なぜ室外機ばかりが狙われるのでしょう?

「窃盗の手口にも特徴があります。犯行時間は昼間が多く、堂々と犯行に及んでいます。廃品回収業者や電器店を装うんです。はたから見るとエアコンの付け替え工事にしか見えない。狙われやすいのは、アパートの空き部屋などに設置された室外機です。外から見てカーテンもなく、人がいないのがわかりやすいため、盗みやすいようです」(副署長)

屋外に"無防備"に置いてあり、業者を装えば盗みやすいわけです。
気になるのは盗んだ室外機の使い道。
ひょっとして、格安エアコンとして転売するのでしょうか?

「いえ、室外機には銅を使った部品があって、それを産業廃棄物処理業者に持っていくといくらかで引き取ってくれるようです。鉄くずだと1キロ当たり30円ほどらしいですが、それに比べて銅は割がいいようです。逮捕した男も、『室外機は1台3千円で引き取ってくれる』と供述しています」(副署長)

そこで、愛知県内にある産廃処理業者に話を聞いてみました。

「ここのところちょっと値を下げているけど、銅の世界相場は高いからね。2008年に史上最高値を記録して、リーマン・ショックで暴落しました。それがまた徐々に上がってきて、今年2月には、再び過去最高値圏にまで戻してきました」

でも、なぜ今、そんなに銅相場が高騰しているの?

「銅相場高騰の原因は中国の消費増。ほかの国とは比べものにならないくらいの消費量だよ。だから、スクラップにされた銅は中国への輸出に回されるものが多い」(産廃業者)

こうした銅相場を敏感に感じ取っているのが室外機泥棒というわけですか。産廃業者が比較的多く集まる名古屋市港区内の産廃業者幹部がこう教えてくれました。

「今、銅は泥棒からすれば、手っとり早くカネになる"おいしい"ネタだろうね。なかでも一番高いのは1号銅線といって、業界では"ピカ線"と呼んでる。ピッカピカに光ってるからピカ線ね。これなら、1キロ当たり約700円ちょっとになる」

室外機にはそんなピカ線がタップリ?

「いや、室外機は違うな。ピカ線ではなく、室外機内部のラジエーターに使っている銅管に値がつくけど、ピカ線に比べたら半分以下ぐらい。しかも、ラジエーターだけで持ち込んだ場合の値段だ。室外機のままだと分解処理する手間がかかるから、さらに安くなる。ただし、値がつくとはいえ、エアコン室外機は家電リサイクル法にもとづいて、家電リサイクル券が貼られた物が指定の処理業者に持ち込まれることになっているから、盗まれた物が正規ルートで扱われることはない。裏で処分している業者がいるのは確かだろうな」(産廃業者幹部)

やはり裏のルートがあるのでしょうか。

「数年前から中国人の産廃業者が増えてきて、スクラップを買いあさってるよ。そのまま本国へ輸出するんだろう。一応、県や市での営業許可は得ているんだろうけど、中に入ってみないと何をやってるかはわからないからね。1キロ当たり110円ほどで室外機をそのまま引き取る業者がいると聞いたことがあるよ」(産廃業者幹部)

室外機の重さは家庭用でだいたい30キロほど。つまり、1台3千円程度で、逮捕された男の供述とも一致します。それにしても、この男、これまでに80件の犯行を重ねたということですが、1台3千円として24万円。本当に割がいいかどうかは甚(はなは)だ疑問です。

最後に、名古屋市内の大手家電量販店のエアコン売り場で、運悪く室外機を盗まれた場合の対処法について聞いてみました。
「室外機だけ買ってもダメです。メーカーや機種によってガス圧なども違いますし、室内機ごと買い替えるしかありませんね」

アドバイスになってない! こうなったら、これからは室外機を厳重に保管するしかない......って、どうやって!? トホホ。
<週プレNEWS7月11日(月)12時51分配信より>

エアコンの室外機が狙われる理由が詳しく載っています。
1台盗んで3千円、80台で24万円。
けっこうなお金になるようですが、1台当たり盗み出す手間や時間、運ぶ手段に一時的な保管場所等考えると、確かに割りの良い犯行とは言えません。

一番の問題は、盗まれた被害金額に比べると、被害者に与える実質的な影響の大きさです。
エアコンの室外機が盗まれると、エアコンが正常に動作しません。
実は、現在進行形の話ですが、我が家でもエアコンの室外機の調子が悪く、非常に困っています。

日曜日にマンションの管理会社に見に来てもらったところ、エアコンの室外機が動いておらず、「送風」程度の冷風しか出ていない、とのこと。
エアコンメーカーに問い合わせて、部品を調達の上、再度伺います、と言ってそのまま帰ってしまいました。

それから数時間後、エアコンメーカーから直接連絡があり、いつ来てもらえるかと確認したところ、最短でも15日後!しか予定が立たないということでした。
エアコンの出張修理が多く、すでに予定が一杯ということでした。
15日間もエアコンなしではどうしようもない、と今から憂鬱です・・・。

夜は徐々に気温も下がってきますから、扇風機と送風しか出ないエアコンを併用すれば、何とか寝ることができますが、問題は休日の日中です。
平日は、仕事で外出しているのでいいのですが、休日は家でゆっくり過ごせない状況です。
暑くてイライラしますね。
エアコンのきいた図書館などの公共施設で昼間は過ごそうかなと今から考えています。

私事の話で申し訳ありませんが、要は、エアコンの室外機がなくなる、故障する、正常に働かない、と大変な状況に陥るということです。
今身に染みて感じています。

私は盗難被害に遭ったわけではありませんが、エアコンの室外機が盗まれた被害者の方も同じ気持ちを感じるでしょう。
盗まれる際、荒々しく盗まれると、修理の時間もさらに掛かるでしょう。最悪は室外機の交換、さらにはエアコンごと交換ということも有り得るでしょう。
1台3千円という被害金額だけでは到底済みません。

エアコンなしで過ごしたら1日3千円あげると言われても嫌です。
それほどエアコンに依存している訳ですが、それが使えなくなると大変なことになります。
侵入・窃盗被害は、単なる金額的な被害だけでなく、このように日常生活に大きな支障をきたす場合もあるのです。
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