防犯ブログ

  • 犯罪手口
2011年09月08日 千葉 大学病院で元職員による器物損壊

勤務していた千葉大医学部付属病院に侵入し、パソコンを壊すなどしたとして、千葉中央署は2日、同病院元非常勤職員で自称会社員の女(38)=船橋市前原西3=を器物損壊と窃盗容疑で逮捕しました。
女は「やっていない」と容疑を否認しているという。

容疑は、8月14日午後10時40分~15日午前5時ごろまでの間に、千葉市中央区亥鼻1の同病院の一室に侵入し、職員のスケジュール管理表が記録されたDVD1枚(500円相当)を盗み、室内のパソコン10台(約92万円相当)に、近くにあったドレッシングやラー油をかけて壊したとしています。

同署によると、女は08年9月から3年契約で企画情報部の非常勤職員として勤務。
契約更新を望んでいましたが、大学側が応じず今年8月末で退職することになり、不満を抱いていたとみられています。
防犯カメラの画像や入退室を記録した電子データから女が浮上。
逮捕後に行われた家宅捜索で、自宅からDVDが見つかったという。
<毎日新聞9月3日(土)12時10分配信>

契約更新がされず、逆恨みした女が病院に侵入し、部屋にあったドレッシングをまき散らし、パソコンを壊したというその絵を想像すると笑ってしまいそうな話にも聞こえますが、被害に遭った病院としては大変な損害です。

パソコン10台が壊れたとありますが、金額的な被害よりも、実務的な被害や情報の損失の方が大きいかもしれません。
データをきちんとバックアップとっていたらまだましですが、そうでなければ、翌日からデータがない、分からないという事態に陥ってしまうかもしれません。
患者さんの重要情報などが入っていたパソコンなら、患者さんにも迷惑をかけてしまう可能性もあります。
病院側としてもこのような被害は想定しにくいでしょうが、きちんとした再発防止策を講じなければならないでしょう。

複製できないカードの導入や、複製できる鍵の場合は元を交換してしまう、ID番号等で誰がいつ入退室したか管理するなど、営業時間内外を問わず、簡単に建物内に侵入できないようにしなければなりません。
元従業員ということは、勤務先の防犯対策の有無からその内容まで詳細を知っていますから、気をつけなければなりません。

特に恨みを持つ者の犯行ですから、自分が捕まることを恐れない場合は非常に危険ですし、それを防ぐ対策というものも難しくなります。
今回の事件では、防犯カメラの映像や入退室を記録したデータから犯人が浮上したということですので、最終的な犯人逮捕につながったことはよかったと思います。
しかし、詳しい状況は分かりませんが、入退室できているということは、退社しても、その入退出の制限を掛けられていないということですから問題です。
根本的にシステムを見直すことが必要かもしれません。
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