防犯ブログ
- 自動車盗難
2012年09月20日
プリウスが泥棒に人気 エンジン音静かで逃走車両用?
今年に入りトヨタ自動車の人気ハイブリッド車(HV)「プリウス」が盗まれる被害が京都府内で相次いでいることが19日、京都府警への取材でわかった。盗まれたプリウスの6割が府内外で乗り捨てられており、車上荒らしなど別の犯罪の"足"として使用されている可能性が高いという。従来は逃走車としてスピードの出る富士重工業の「スバル レガシィ」が狙われるケースが目立っていたが、エンジン音が静かなプリウスが、新たなターゲットになっているとみられ、府警は警戒を強めている。
府警によると、今年に入り、府内で盗まれたプリウスは17台(9月3日現在)。ほとんどの車に鍵はかかっていたが、犯人は盗難防止装置「イモビライザー」を不正に解除する「イモビカッター」を使うなどしたとみられる。
日本損害保険協会の調査によると、プリウス盗は年々増加。平成21年11月に自動車盗難で保険金が支払われた事案を調査した際は、車種別上位20位に入っていなかったが、22年11月は22件(車種別7位)、23年11月は32件(同5位)と急増している。
人気の高い車種だけに、転売目的の犯行ともみられたが、捜査関係者は「別の犯罪に使う目的でプリウスが狙われている」とみる。
京都府内で盗まれた17台のうち約6割に上る10台が、府内だけでなく他府県でも乗り捨てられていたためだ。車内に消火器を噴射して証拠隠滅を図ったものもあった。さらに、盗難があった現場付近で、同じ時間帯に車上荒らしが続発していることも新たに判明、盗難車が逃走車両として使われた可能性が浮上している。
捜査関係者によると、これまでは、窃盗犯などの"足"として、スピードが出るレガシィが盗まれるケースが多かったが、府内のレガシィの盗難被害は今年に入って1台のみ。
捜査関係者は「犯人側がHV車のプリウス特有の静かなエンジン音に目を付け、格好の逃走車両として狙っている」とみている。
府警は、被害防止のため、防犯カメラが設置された駐車場の利用などを呼びかけているが、施錠していても被害に遭うケースが後を絶たない以上、「盗難防止装置の改良など、メーカー側にも対策を強化してもらうしかない」(捜査関係者)と指摘する。
トヨタ自動車広報部は盗難防止対策などについて、「警察と情報交換はしているが、個別具体的なことについては言えない」としている。
<産経新聞 9月19日(水)15時11分配信より>
プリウス自体が人気で泥棒が狙っているのかと思いきや、エンジン音が静かで逃走車両に最適であるとして人気が高まっているようです。
まずプリウスを盗み、その後、メインターゲットである別のところに侵入し、犯行後プリウスを逃走車両として利用するということでしょう。
自動車を盗むのも一苦労だと思うのですが、その後の本当の目的の為、犯行の成功率(逃走も含む)を高める為だけにプリウスを盗むという手口です。
泥棒は、一般的に音・光・目・時間の侵入防止4原則を嫌うと言われています。
① 音・・・ベルやサイレン音が鳴る、犬に吠えられること(周囲に気付かれ、人が集まってくることも)
② 光・・・フラッシュライトや人感ライトなどの突然の光に驚く(犯行時は極度の緊張状態にあり、光=有人だと感じる、暗闇だとさらに犯行しやすい)
③ 目・・・人に見られる、防犯カメラに映像を記録される(機械の目による監視、あとで捕まる危険性アップ)
④ 時間・・・侵入に時間(手間)がかかる(長時間の犯行は命取り、時間がかかると分かれば侵入を断念することも、常に短時間での犯行を目指す)
プリウスでの逃走は、音を嫌う泥棒がそれを避けるために行う事前対策と言えます。
この4つの内、どれか一つでも対策が行われていれば、それなりに効果があるのですが、逃走車両としてプリウスを盗むような泥棒が相手となると、一つでは不充分です。
相手も相応の対策がされていることは承知の上での犯行ですから、それをさらに上回る対策でないといけません。
宝石貴金属店などがその良い例でしょう。
車を建物内に突っ込んで侵入する手口や壁を破壊して侵入するような荒々しい大掛かりな手口に対しては、普通の対策ではとても対抗できません。
ある対策がどの業種・どの業態でも最適という訳ではありません。(もちろん効果が無いわけではありませんが)
一般住宅では充分な効果を発揮する対策でも、病院では充分ではないという場合もあります。
それぞれに最適な対策を選び、実行することでより効果的に働くと思われます。
また、一つではなく複数(二つより三つ、三つより四つ)の対策を組み合わせることで、より犯罪が犯しにくい環境となります。
そうすることで、他(無対策の家)との差別化を、外部(犯罪者含む)に対して明確にアピールすることで、よりターゲットになりにくくなるでしょう。