防犯ブログ
- 犯罪手口
2012年10月19日
法務局職員2人 収入印紙をはがし9300万円着服
愛知県と千葉県の法務局で元職員2人が収入印紙の着服を重ね、その総額が約9360万円に上っていたことが会計検査院の調査でわかりました。
登記申請の際に受け取った印紙を台紙からはがし取るという単純な手口でしたが、チェックが甘く、見逃していたということです。
問題があったのは名古屋法務局刈谷支局(愛知県刈谷市)と千葉地方法務局佐倉支局(千葉県佐倉市)。
法務局側から検査院に報告があり、調べていました。
現在も約6400万円の穴埋めができていないといい、検査院はずさんな事務態勢が被害を拡大させたと見ています。
愛知では昨年2月、登記事務の担当だった30代の男性職員が収入印紙を盗んでいたことが発覚。
愛知県警に窃盗容疑で逮捕され、同年11月、計約2700万円分を盗んだとして窃盗罪で懲役2年の判決を受けました。
換金して借金返済などにあてていたという。
<朝日新聞デジタル 10月18日(木)19時41分配信より>
登記申請の際、提出された書類に貼られた収入印紙をはがし、換金していたという手口ですが、印紙のはがされた書類はそのまま申請が通ったのでしょうか?
別にチェックする者や部署があれば、すぐに書類の不備ということで申請者に連絡がいきます。
そこで貼ったはずなのにはがされているとなれば、すぐに問題が発覚していたはずです。
9300万円もの被害にのぼることはなかったでしょう。
今も6400万円の穴埋めができていないということですから、余罪もしくは同じ手口で別の者が犯行を行っていた可能性も考えられます。
管理のずさんさを物語っています。
犯人の男2人も内部のそのずさんさをよく知っていたからこそ、犯行を決意したのではないでしょうか。
社外の人間はもちろん、社内の人間が管理のずさんさを実感しているようなところでは何らかの犯罪が発生する可能性が高いと言えます。
悪い事をしてもみつからない、ばれない、自分の犯行だとは気付かれない、と感じた時、人間というものは悪い事が頭に浮かんでしまうものです。
それを実行するか、実行せず心に留めておくかが犯罪者の分かれ目です。
この分かれ目は意外なほどあいまいです。
一瞬で犯罪者側に寄ってしまうことがあります。
このようにさせないために経営者側にも工夫や対策が必要です。
働く人にとって気持ちの良いものではありませんが、防犯カメラによる監視や従業員同士のチェック体制の構築など、良からぬ考えが及ばぬような環境をつくる責任があるのではないでしょうか。