防犯ブログ
- 万引き
2012年11月12日
コンビニ 万引きのほとんどがアルバイトによる犯行?
コンビニ歴21年・バイヤー歴15年の筆者がコンビニを選ぶ視点からお得情報、裏ワザまでを伝授! バックヤード事情を見れば毎日の生活が変わる――?
<今回のテーマ>
コンビニと万引き
『北の国から2002遺言』(フジテレビ)で、コンビニでバイトする内田有紀演じる結ちゃんが、お客さんの吉岡秀隆演じる純君に廃棄前の弁当をこっそり渡す......そんなシーンをご存知でしょうか?
北の大地で孤独に暮らす二人の心に、ほのかに点った恋が垣間見られる良シーンなのですが、実はこれがコンビニでの万引きを最もあらわした場面なのです。今回はそんな、コンビニで最も多く行われる犯罪・万引きについて紹介していきましょう。
●万引きの9割は内部犯 その手口とは?
まず平均的に、コンビニの商品ロス(商品が売れた記録がないのに在庫が無くなっている状態)の9割は、内部のアルバイト店員に原因があるといわれます。
そしてそれらは、商品の検品ミスなどではなく、内部人員による万引きだというのです。
「商品をこっそり持ち帰る」のは当然NGですが、「からあげやポテトフライの揚げ物をひとつ多く揚げてしまったので、それを食べてしまう」「友達に陳列期限が切れた廃棄商品をあげてしまう。もしくは自分で持って帰る」なども内部万引きとなります。
さらに悪質な「レジから金を抜く」という犯行もありますが、アルバイト交替時にレジ精算を実施するので、誤差が発覚する可能性が高いため、あまり一般的ではありません。
それでも、会計時にお金を受け取った後、レジの取消キーを押して清算を取り消し、お客さんから預かった売上金をポケットに入れるといった、手の込んだ手口を使う場合もあります。
これは、単品で買われ、つり銭の端数が出ず、内税で消費税の計算をしなくていい雑誌やタバコの会計時に行われる場合が多いようです。
この方法は、お客が複数の商品を購買した場合には、多少手間がかかりますが、売り上げをたてた後で、商品の返品処理を架空でして、金を万引きするという大胆な手口もおこなわれています。
特にタバコは、従業員による不正な万引きが横行しています。
タバコは、店舗が受ける利益が10%しかなく、また、店舗の売上構成の約30%をしめる主力商品なので、1カートン万引されると、売上損失としても大きい。
当然、店舗ではタバコの在庫管理表をつけていますが、アルバイトが在庫管理表を自ら記載する場合があるのと、管理する品揃え数及び在庫数も多いため、たばこの内部万引きの管理が、コンビニ万引きで一番の重点ポイントと考えられます。
●防犯カメラは必ず見ている!
このようにコンビニではさまざまな場面で万引きが起こっていて、これらの多くは、3カ月に1回程度行なわれる棚卸しで発覚しています。
商品ロスは、全店で高額に発生している訳ではなく、オーナーの店舗管理能力の低い1割前後の店舗で問題となっています。
万引き発生店舗では、こうした状況の改善と実態調査のため、アルバイト全員を対象に、聞き取りを中心とした個別のロス面談をオーナーやSV(店舗巡回員)が実施しています。
なお、この面接を実施すると、店舗で信頼して仕事を任せている、リーダー格のベテランアルバイト主婦や普段はまじめでしつけが行き届いたような学生バイトなど、ビックリするような人が、大胆な不正の告白をすることもあります。
具体的すぎてここでは明かせませんが、実施する側としては、ちょっと人間不信にさえなってしまうようなエピソードが満載です(苦笑)。
具体的な防犯対策としては、店内に設置された防犯カメラがあげられます。
特にレジ周りには注意が向けられているなど、厳しい対策がとられています。
防犯カメラの多さについては、コンビニがスーパーなどの小売業態と比較してお客による万引きが少ない要因とも言われています。
また、廃棄商品の持ち帰りへの対策としては、徹底した社員教育しかないのが現状です。
平均1日1店舗1万5千~2万円分の時間ロスによる廃棄が出ているので、もったいないし、頑張っているアルバイトに還元しても良いのでは......と思われるかもしれません。
だが、アルバイトに廃棄をあげると冒頭の北の国からのように、店にある商品が何でもタダであるように感じてしまうため、アルバイト不正の後押しになっていることが、ロス面談などからも発覚しているのです。
●万引きは犯罪です!
もちろん、少ないとはいえ外部犯(客)による万引きの例も後を絶ちません。
これらに対しては、商品取り扱いの側でうまく対策をしている事例もあります。
近頃コンビニ店頭で主流になっているアマゾンやアップルのギフトカードは、店頭に陳列されている時は無価値で、レジでスキャンしたあとに、額面の価値が出るPOSアクティベートという仕組みを取っています。
これは万引き大国・アメリカから持ち込まれた仕組みなのです。
また、単純ですが、アルバイトによる大きな声でのあいさつ接客が最も効果的だとも言われています。
近年は、たばこや飲料などカテゴリー別に全ての売上在庫管理が、各チェーンシステムで個店別で出来るようになったため、どのカテゴリーから、商品ロスが出ているか、リアルタイムで把握出来るようになり内部不正は激減しました。
防犯カメラの多いコンビニでの万引きは、大きなリターンもない割にリスクが非常に高い。
軽い出来心で万引きをしてしまうのかもしれないけど、そもそも万引きは、金額の大小問わず刑法235条の窃盗罪に当たるれっきとした犯罪。
こうした犯罪が起きないようにすることは、犯罪者を増さないようコンビニ側も社会的責任として、更なるアルバイト教育と仕組みによる管理徹底が必要かもしれません。
なぜならコンビニでの万引きで、一生を棒に振るなんてことが現実的になってきたのですから。
<Business Journal 11月11日(日)14時12分配信より>
コンビニで発生している万引きの9割が内部犯行による万引きという驚きの記事です。
確かに店内には強盗対策・万引き対策としての防犯カメラがほぼ完備されています。(防犯カメラのないコンビニを探す方が難しいですね)
コンビニで何らかの犯罪を計画しても、防犯カメラに自分の姿・格好・顔・場合によっては音声も記録されてしまいます。
これは非常にリスクが高い環境と言えます。
現金に関しても、レジ内には万札は置いておかない、こまめに金融機関へ預け入れるなど、強盗に対して大金を渡さないように(物理的に不可能に)するために教育・対策が徹底されつつあるようです。
記事にもありますように、コンビニでの犯行は、大きなリターンもない割にリスクが非常に高いと言われるゆえんでしょう。
にも関わらず、コンビニで万引きが発生するのは、大きな落とし穴があったからです。
それが従業員(特にアルバイト店員)による内部犯行です。
内部犯行と聞くと、組織に対しての裏切り、不正、横領など、より犯罪のイメージが大きいですが、万引きも同様です。
店の倉庫に無造作に置いている商品を持って帰った、店で販売している商品(肉まんやコロッケなどの食品)を自分用に作って食べた、賞味期限で廃棄する弁当を知り合いにあげた、などほんの出来心といいますか、罪の意識のないちょっとしたいたずら程度に考えている人が多いのかもしれません。
ただ、自分が経営者の立場だったらそのようには考えられません。
お客さんに売れば、売上が計上され利益が出る商品を、従業員が勝手に盗む・食べる・人にあげる、つまり、売上も利益も一緒に盗られていることと同じです。
自分の物ではなく人の物を盗っている訳ですから、立派な犯罪行為です。
経営者としてみれば、その商品を販売し、利益を得てこそ商売が成り立ちます。
商品の仕入だけでなく、店の賃料・光熱費・人件費・レジや棚などの設備、こういったものが全て、商品の販売価格には含まれております。
お金を掛けて商品を準備したのに、それをタダで配れば(盗まれれば)、ただ損しているだけです。
万引きが多発し、経営に深刻な影響を与えるというのは、この蓄積が大きな被害金額となっているからです。
人にもよるでしょうが、短期間で自分のこずかい稼ぎだけが目的の大学生を心から信用することはできません。
向うとしては、気に入らないことがあればすぐに辞める気ですし、ある程度稼げればそれで辞めようと考えている者がほとんどでしょう。
真剣にコンビニで働きたい、将来は自分でコンビニを経営したい、そのために勉強したいと考えている人の方が少ないでしょう。
このような人に、絶対的な忠誠心や信用を預けるのは不安があります。
もちろんそのような人ばかりではないでしょうが、疑う、慎重になるのに越したことはありません。
犯罪(万引き)が容易に行えてしまう、行っても見つかる可能性は限りなく低い、または完全犯罪という状況になると、多くの人が悪い考えが頭によぎってしまうものです。
それを実行するかが犯罪者との違いですが、さきほど言ったような罪の意識が低そうな万引き(商品を勝手に食べる)などは、そもそもそれが犯罪だという認識すらないのかもしれません。
人に責められて、初めて確かに犯罪だと気付く人が多いのかもしれません。
経営者としてはこのような状況を放置してはいけません。
自衛のための対策を講じ、状況を好転させなければ、自分が損をします。
店内の自衛策として防犯カメラを設置するのは当然ですが、店の内側、つまりバックヤードや倉庫にも防犯カメラを設置し、誰であっても盗みが簡単には行えないないような環境を作り上げることが効果的でしょう。