防犯ブログ
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2014年01月09日
食品工場での冷凍商品への農薬混入に対して
新年早々に届いたニュースで気になったのがこの「食品工場への農薬混入事件」
この食品工場が製造した冷凍商品を食べて数百人の人が気分が悪くなったとの訴えをしており、商品の回収等が続いています。
マルハニチロホールディングスの子会社「アクリフーズ」が製造した冷凍食品から農薬が検出された問題で、警察が業務妨害より罰則の重い毒物混入防止法違反の疑いも視野に捜査をしていることがわかりました。
アクリフーズ群馬工場が製造した冷凍食品から、農薬「マラチオン」が検出された問題で、警察は何者かが農薬を混入した可能性があるとみて、9日も工場の従業員から任意で事情を聴いています。
その後の取材で、警察が業務妨害より罰則が重い流通食品毒物混入防止法違反の疑いも視野に捜査をしていることが分かりました。「マラチオン」は毒劇物取締法などで指定されていませんが、最も高い濃度を検出したコロッケを子どもが一口食べただけで健康被害の恐れがあることから、「毒物」に当たる可能性があるということです。
毒物混入防止法は、「グリコ・森永事件」をきっかけに制定されたもので、これまでに1件しか適用されたことがありません。(TBSニュース1月09日より引用)
梱包作業時に故意に混入された可能性があるとして警察では従業員の勤務状況やその時に異変を感じなかったかなどの聞き取り調査を行っているということです。
別のニュースでは「出入り口に防犯カメラは付いている」とありましたが、生産ライン等を常時録画していないのか、その録画映像に触れる記述はどのニュースにもありませんでした。
ある従業員はテレビのインタビューで「持ち物も持ちこめないし、服も着替えてポケットもないので農薬などを持ち込むことはできない」と話していました。しかしながら別の従業員は「靴の中や下着の中などで持ちこむことはできる」と話しており、それが実体なのではないかと考えます。
いずれにしても、この企業では犯人が特定され、原因が判明し、異物混入された期日が特定されない限り商品の販売はもちろんのこと、新たな商品の製造もできない、という状態が続くことになります。大切な顧客の信頼を失ってしまった、その代償はあまりにも大きいと言えます。
冷静に考えればこの食品工場も被害者なのですが、企業の存続すら危うくなる状態になってしまったということです。
誰が何の目的で農薬を混入させたのか?
「食品への異物混入」というと思いだされるのが、2007年12月下旬から2008年1月にかけて起こった中国餃子への殺虫剤混入事件です。中国の天洋食品が製造した冷凍餃子を食べた千葉県千葉市、市川市、兵庫県高砂市の3家族計10人が下痢や嘔吐などの中毒症状を訴え、このうち、市川市の女児が一時意識不明の重体になりました。
この事件は当初日本での流通中などで混入したのではないかということで倉庫や店舗が徹底して調べられましたが、結果的には中国の工場での犯罪であることが判明しました。会社の待遇に不満を持つ従業員が殺虫剤を故意に混入したということでした。
こうした犯罪を起こすのは「愉快犯」か「恨みを持った人間」。
ただ、今回は約1カ月程と混入されたと推測される時期が長いことから「恨みを持つ人間による犯罪なのではないか」との報道もありました。
こうした食品への毒物混入に関して製造する工場では、「こうした犯罪が発生しにくい環境の強化」「万が一問題が発生した時の状況確認・原因究明のための録画映像での確認」が必須です。
まず「犯罪が発生しにくい環境の強化」に関してですが、持ち物の制限、作業着の着用はどんな工場での実施しているでしょうが、その状況の管理の強化はもっと徹底される必要があります。例えば靴の中や下着の中。そうしたところに隠されていないかなども従業員間で確認し合うなどは最低限実施する必要があります。確認を相互にしているところを防犯カメラで本社などで確認する・録画する、ということでも「抑止」にはなると思います。
又、従業員だけでなく外部から悪意を持った不審者が侵入して毒物を混入するという可能性もありますので、
● 敷地の中に不審者を侵入させないための「外周警備システム」
● 工場建物内への出入できる人間を制限し、誰が何時に入室し何時に退出したかを記録する入退出管理システム
● 万が一の問題発生時に状況確認が詳細までできる鮮明な画像でアップが可能なフルハイビジョンカメラによる自動録画システム
を導入することをお勧めします。
特にフルハイビジョンカメラは、従来のアナログカメラとは録画した映像を再生して確認した時の鮮明さが大きく異なるため、問題発生時の確認の時に犯人特定などに効果が高いということができます。
従来のアナログカメラアナログカメラが38万画素、メガピクセルカメラは130万画素、フルHDカメラは235万画素となっており、画素数が大きくなればなるほど細かいところまで再現できます。
万が一何か事件が発生した時には、デジタルレコーダーに録画された映像を再生して確認をすることができます。フルハイビジョンカメラは高解像度のため、拡大しても以前のアナログカメラより画像の劣化が少ないので詳細まで綺麗な画像で確認できます。
赤外線照明内蔵のフルハイビジョンカメラの場合には、照度が低い場所でも鮮明な映像で録画することができます。
既に監視カメラを設置している、という工場でも今回の事件を契機にぜひ見直されることをお勧めします。
又、同時に「遠隔監視システムi-NEXT」を導入し、ネットワークカメラを1~数台設置することをお勧めします。管理者が外出先や自宅からでもiPadで工場の生産ラインの管理をリアルタイムの動画で行うことができます。
ワンタップで見たい場所の見たい画像を確認できます。カメラによって異なりますが光額21倍等までズームアップできるので生産ラインの遠隔監視にも活用いただけます。