防犯ブログ
- 犯罪情報
2015年04月03日
期限切れ弁当をバイトが持ち帰ったら横領?
コンビニでアルバイトをした経験がある人の中には、売れ残って捨てられた弁当やパンを、持ち帰ったことがある人もいるかもしれないません。
しかし、軽い気持ちで持ち帰ると、思わぬトラブルに発展する可能性があります。
弁護士ドットコムの法律相談コーナーに「廃棄物を持ち帰ったら、横領だと言われた」という相談が寄せられました。
相談者がアルバイトをしているコンビニでは、深夜、ビニール袋の中に入れられた廃棄物が事務所内に置きっぱなしになっていた。その廃棄物を何度か無断で持ち帰ったのだという。しかし、あるとき、店長に見つかってしまったそうです。
店長からは「廃棄物は会社の所有物であり横領罪にあたる」として、持ち帰った廃棄物のおおよその金額の支払いを求められたという。
しかしその支払いには明細等もなく、根拠もあいまいでした。
相談者は「窃盗と言われても仕方ないとは思うが、横領扱いされ、横領した相当の金額を支払うというのは、行き過ぎではないか」と納得がいかない様子です。
一般的にコンビニの廃棄物というと、弁当などの食品廃棄物が考えられます。
もし、ゴミの回収に出すために店内の事務所などに置かれていた「期限切れの弁当」を持ち帰った場合、横領にあたるのでしょうか。
また、持ち帰った分の金額を支払わなければならないのでしょうか。弁護士に聞きました。
●捨てられた物を持ち帰って、なぜ犯罪?
「このケースは、私の見解では、横領というよりも窃盗にあたると考えられるのですが、いずれにしろ犯罪が成立する可能性は高いといえます」
弁護士はこのように切り出しました。捨てられたものを持ち帰って、なぜ犯罪になるのか?
「賞味期限切れの弁当など、廃棄処理した物であっても、所有権は依然として店にあります。また『占有』、つまり物に対する事実上の支配は、コンビニの店長にあると考えられます。したがって、店長に黙って廃棄物を持ち出せば、店長の占有を侵害したとして窃盗罪が成立すると考えられます」
廃棄物の経済的価値はほとんど0円に近いだろう。それでも、窃盗罪が成立するのか?
「価値が低いからといって、窃盗罪の成立を否定する理由にはなりません。ただ、被害額が小さければ、ただちに警察の捜査対象にはならない場合もあると思います。
しかし、たとえば勤務ごとに毎回持ち出しを繰り返したり、大量に持ち出したり、勤務日でないのに、わざわざ店に来て廃棄物を持ち出すなどの常習性や手口の悪質さが考慮されれば、刑事事件として立件される可能性も否定できません」
相談者は、持ち帰った廃棄物の代金を支払えと言われているようだが、その必要はあるのか?
「被害弁償は、実害ベースが原則です。売れる商品であれば、売値での弁償が必要でしょうが、廃棄処理した廃棄物の弁償となれば、仕入原価を割っていると考えられます。ですから、店への弁償額については争う余地があるでしょう」
<弁護士ドットコム 3月31日(火)11時2分配信より>
捨てられている物だから持って帰ってもいいかな?と考えたことがある人も多いと思います。
でも捨てられているのか、一時的に置かれているのか分かりづらい物の場合、勝手に持って行くのはまずいだろうという意識が働きます。
また、どうせあとで捨てるのだからその前に持って帰ろうという場合もあるでしょう。
これも捨てる前なのか、捨てた後なのかタイミングが微妙です。
捨てる前なら窃盗、捨てた後ならセーフなのか?
今回相談が寄せられた内容でその辺りがよくわかります。
価値があろうとなかろうと、捨てられた物であっても所有者の了解なしに持って帰るのは犯罪になる可能性があるということです。
被害弁償としてその分の代金を支払う必要はなくても、悪質な場合罪に問われる可能性があるということです。
確かに、弁当を廃棄し、それを盗んだ人が食中毒や何か病気にかかった場合、その盗んだ人が悪いのは当然ですが、店側の管理責任を問われる可能性もあるかもしれません。
第三者から見れば、店側には何の責任もないように見えますが、法律や裁判などで責められる場合があるのでしょう。
このようなトラブルに巻き込まれないように自分の身を守る対策が必要です。
防犯カメラなどで監視し、よからぬ思いが起きにくくする環境を作るというのも一つです。