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2016年05月25日 犯罪予測システム アメリカでは2011年から広く実用化

近年、防犯や治安維持などの観点において注目を集めている新技術に、犯罪予測システムというものがあります。

これは「過去に犯罪が多発してきた場所」「過去に犯罪を犯した人物の居住地区」「街灯の多さ」「バーやナイトクラブの有無、およびその営業時間」などのビッグデータを元として犯罪が起こりやすい場所や時間帯を予測しておき、そのポイントにおいてパトロールなどの警備を重点化することで犯罪を未然に防いだり、犯罪が発生した場合には警察官が直ちに現場に向かうことができるようにしておいたりするというものです。

アメリカでは既にこうしたシステムは2011年頃から広く実用化されるようになってきています。
サンタクルーズ市警ではサンタクララ大学やカリフォルニア大学ロサンゼルス校と提携をし、これまでの同市内での犯罪データを提供することにより、同大学で研究が進められていた犯罪予測システムの実用実験に協力をしてきました。

サンタクルーズ市警の所有するパトカーや白バイにはパソコンが搭載されており、事件の現場において警察官が直接データに上書きをし、アップデートをしていくようになりました。
その結果として生み出されたのが「PredPol」というサービスです。

PredPolはWebベースのサービスであり、犯罪の種類ごと、それらが昨日までどこで発生をし、今日はどこで発生をしそうなのかということを地図上に表示します。
サンタクルーズ市ではPredPolを活用した結果、2年間で犯罪発生率を17%減少させることに成功しました。
またロサンゼルス市警ではこのPredPolを12年に導入したところ、ベテラン刑事やアナリストなどの専門家のおよそ2倍の精度で予測をすることに成功しました。

また、日本においても現時点ではごく一部であるものの、同様の犯罪予測システムを活用する動きが出始めています。
京都府警では15年の10月から過去10年の窃盗やわいせつなどの犯罪統計をビッグデータとして活用し、犯罪が起こりそうな場所、時間帯を予測します。
同府警ではロサンゼルス市警などを視察し、システムのさらなる活用を進めていく見込みです。
<エコノミックニュース 5月14日(土)21時25分配信より>


アメリカでは2011年ごろからすでに実用化されている犯罪予測システムが日本でも実用化されそうです。

分析を行い、事前に犯罪多発地域に警察官を配備する。
仮に犯罪が発生してもすぐに対処する、または犯罪が起こる前に犯罪者が犯行を思い留まる効果などが期待されます。

どこでどの時間帯どのような犯罪が発生したかの詳細データは警察であれば自然と集まります。
全国の情報を共有し犯罪の傾向を分析すると共に、地域ごとの詳細データから犯罪予測を行うことで、犯罪者にとっては犯罪が起こしにくい環境ができあがります。

同じ地域、同じ業種に対して、同じ手口で犯行を継続することが難しくなります。
犯罪が起こっていない地域や時間帯、犯罪予測システムの裏をかき続けなければならなくなります。
これは犯罪者にとっては非常に面倒で大変なことでしょう。

一つ懸念されることは、この犯罪予測システムが犯罪者に悪用されることです。

この犯罪予測システムを使うことができる警察関係者やシステムの開発者などが犯罪者にこのシステムの情報を流す。
犯罪者自身がこのシステムを使い、警察が予想する場所と違うところで犯罪を行う。

アメリカでは違法薬物の捜査において、売人がどの場所で取引が行われるかの情報を自ら流し、そこに警察が向かっている間に別の場所でさらに大きな別の取引を行うという手法もあるようです。

犯罪者と警察とのイタチゴッコは続きますが、何も対策をしなければ犯罪者が自由に犯行を続けられるだけです。
防犯対策としては必要な試みでしょう。

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