防犯ブログ
- 窃盗
2016年09月02日
廃棄予定の給食 盗み食いすると罪になる?
神戸市教育委員会は8月15日、以前勤務していた夜間中学校に入り、余っていた廃棄予定の給食を食べたとして、男性教諭(54)を停職3ヶ月の懲戒処分にしました。
教諭は「(廃棄される給食が)もったいないと思っていた」と話しているという。
報道によると、男性教諭は今年2月27日午前8時30分ごろ、合鍵を使って夜間中学校に入り、前日夜に出された給食の残りであるビビンバや白身魚のフライなどを、持ち込んだビールとともに食べていたところを教頭に発見されました。
男性教諭はこれまで4、5回校舎に入り、給食を食べたと認めているという。
男性教諭は、今年6月に建造物侵入と窃盗の容疑で警察に逮捕され、書類送検されているようだが、廃棄予定の給食を食べたとしても、窃盗罪にあたるのか。捨てることが決まっているものを盗んでも、罪になるのか。弁護士に聞きました。
●「廃棄予定の給食」は学校が「占有」しているのか?
「窃盗罪の対象となるのは『他人の占有する他人の財物』です。これに対して、『他人の占有を離れた他人の財物』については、比較的刑罰の軽い遺失物等横領罪の対象となります」
弁護士はこのように述べる。学校に保管されている廃棄予定の給食は、「他人の占有する他人の財物」なのか。
「刑法上の『占有』とは、(1)財物に対する事実上の支配(占有の事実)と、(2)財物を支配する意思(占有の意思)の2つを備えている必要があります。
本件では、前日の給食の残りが学校の施設内に保管されていることから、(1)については問題なく認められます。
他方、(2)については、前日の給食の残りを廃棄する予定であったことから、既に保有する意思を失っているようにもみえます。
しかし、裁判実務上、『占有の意思』はかなり包括的・抽象的な意思で足りると解釈されています。たとえ、財物の存在を意識していない状態であっても、積極的に放棄する意思が現れていない限り『占有の意思』が認められています。
前日の給食の残りについて、廃棄予定であったとしても、『ごみ収集の日までは学校の施設内に保管しておく』という意思がある限り、ごみ出しの搬出行為完了時までは積極的に放棄する意思が外部に発現していませんので、引き続き『占有の意思』が認められると思われます。
たとえば、『いったん捨てようと思って自宅室内に分別保管していたものについて、翌日翻意した時には、既に友人が黙って持ち去っていた』というケースで、友人に窃盗罪が成立しないという結論はおかしいでしょう。
こうした不都合性を回避できることからも、結論は妥当であると考えます」
<弁護士ドットコム 8月19日(金)9時55分配信より>
余っていた廃棄予定の給食を食べてたとしても、それはもったいないという日本人特有の感情から起こった行動で、窃盗というのは大げさな気もします。
ただ、この教諭は、平日ではなく土曜日を選んで侵入し、さらに自宅からビールを持ち込んでの行動ですから計画的な犯行ととられても仕方がないように思います。
その飲んだビールの瓶や缶はきちんと持ち帰って処分したのでしょうか。
月曜日に登校した生徒が見つけたら大変です。
誰かが学校で飲酒したのかと大騒ぎになる可能性もあります。
教師ではなく生徒が疑われたらそれこそ冤罪です。
そこまでのことはおそらく考えていなかったでしょうが、教師であればそこまで配慮すべきでしょう。
自分の言動が生徒に及ぼす影響まで考えることが教育者には求められていると思います。
話を元に戻しますが、廃棄予定の給食をどのように管理するのかという取り決めは学校内で定められるべきです。
可能かどうかは分かりませんが、学校側が了承すれば廃棄予定の給食を教師の間で処分しても良いようにする。
または、ゴミとして処分するのではなく、動物の餌や花壇の肥料等に再利用できないかを検討するなど捨てる以外の方法も検討すべきです。
量が多いのであればなおさらそうすべきですし、本当にもったいない話です。
日本のコンビニで廃棄される食品の量がすさまじいという報道がありましたが、容器や資源の再利用だけでなく、食品の再利用もこれからは重要になると思います。