防犯ブログ
- 犯罪手口(寺社仏閣)
2021年04月22日
鳥取県 さい銭泥棒の検挙率全国一位 約96%!
鳥取県警が昨年認知したさい銭の窃盗被害(未遂を含む)26件のうち、25件で犯人を検挙していたことがわかった。
検挙率は96・2%で、全国平均(62・9%)を大きく上回っており、背景には、寺社や地域の防犯意識の高さがうかがえる。
昨年9月中旬、鳥取市内の神社でさい銭箱から現金約500円が盗まれた。この神社では、2年ほど前から、さい銭箱の中からガムのようなものが見つかったことが数回あったため、同8月中旬に防犯カメラを設置した。
その後、神社関係者が映像を確認すると、さい銭箱をのぞき込むような動きをしている人物が映っていたため、鳥取署に被害届と映像を提出した。
同10月、署員が神社付近で張り込んでいると不審な男が現れたため、職務質問し、任意同行。男は先端にガムのようなものを付けた棒を持っており、「何度かやった」などと自供したことなどから、同署は窃盗容疑で逮捕した。
同市倭文の倭文西集落自治会は今年1月、複数の防犯カメラを設置し、さい銭盗の抑止など地域安全の機運を高めたとして、鳥取署から感謝状を贈られた。
同集落では2019年秋、地区にある倭文神社でおみくじの料金箱から現金が盗まれたのをきっかけに、神社だけでなく、集落内にも防犯カメラを取り付けた。
さい銭箱の周辺や集落につながる複数の道路などを9台の防犯カメラで見張っており、同自治会の中村克彦区長(76)は「地域の氏神様である神社だけでなく、集落の皆さんにも安全安心に過ごしてもらいたい」と話す。
防犯カメラが以前よりも安価になっていることも、設置を後押ししている。昨年5月に窃盗未遂の被害に遭った倉吉市の寺院では、日没後はさい銭箱を本堂内に入れて施錠をするようにしているほか、防犯カメラを3台導入した。
住職の男性は「3台で約10万円かかったが、昔に比べると安くなっていたので、設置することにした」と明かす。
警察庁のまとめでは、鳥取県警は全国で唯一、19、20年と2年連続で空き巣なども含めた窃盗犯の検挙率が70%を超えている。
県警捜査1課の担当者は、検挙率の高さについて「さい銭盗に限らず、捜査員の地道な張り込み捜査などに加えて、防犯カメラの映像提供といった『地域の目』も一因となっているのでは」としている。
<4/8(木) 11:49配信 読売新聞オンラインより>
鳥取県のさい銭泥棒の検挙率が全国一位で100%近いということに驚いています。
さい銭泥棒という犯行自体が防犯カメラによる明確な犯人特定やその場での現行犯逮捕でないと、なかなか犯行として立証しにくように思います。
盗まれたお金がどのくらいそこに存在したのか、本当にそこから盗まれたお金なのかを被害者側が証明することが難しいからです。
にもかかわらず、検挙率96%というのは、防犯カメラを活用し、そして地域住民と警察が協力して犯人逮捕に努めている結果ではないでしょうか。
記事の中で紹介されている「地域の目」というのは犯罪者にとっては脅威になります。
誰かに見られている、見張られている、自分の犯行が明るみになるかもしれないと思わせるのは、犯罪者が最も嫌がる、そして恐れる事態です。
このように犯罪者が嫌がる環境を地域で協力して作り上げることで、犯罪者がその場での犯行を行いにくくなり、そして別の犯行対象を探させることにつながり、自らがターゲットになりにくくしています。
犯罪者が別の犯行対象を探すということは、残念ながら犯罪件数自体の減少にはつながりませんが、まずは自分の身は自分で守り、自己防衛から始めるのが第一歩です。