防犯ブログ
- 詐欺
2022年08月19日
ATMでの利用限度額設定、防犯上の意味はあるのか?
警察官を装って高齢者からキャッシュカードを盗んで現金500万円を引き出したとして、福岡市東区の無職の男(26)が窃盗容疑で逮捕されました。
警察によりますと、男は今年2月10日、岡山市東区の男性(85)に対して「あなたのキャッシュカードが悪用されている。キャッシュカードを使えなくする必要があるため警察官を向かわせます」とうその電話を別の者から掛けさせ、同じ日に私服姿で警察官を装って男性の家を訪問。
男性にキャッシュカード4枚を封筒に入れさせたうえ、隙をみて別の封筒とすり替えたということです。
男はその後、翌日までの間に岡山市東区内と東京都内のATMから、15回にわたって現金あわせて500万円を引き出した疑いです。
岡山東警察署は、男性からの被害届を受け所要の捜査を行い男を特定、きょう(13日)午後逮捕しました。男は「間違いありません」と容疑を認めているということです。
<RSK山陽放送 7/13(水) 17:33配信より>
ATMからの現金引き出し
キャッシュカードを使ってATMから現金を引き出す際、1日あたりの利用限度額が50万円、100万円などの設定があります。
今回の事件のように、15回にわたって500万円を引き出そうとすると、1回あたりの引き出しは約33万円となり、利用限度額の範囲内としてATMでは問題なしと判断するということです。
このATMでの利用限度額設定ですが、防犯上の意味はあるのでしょうか?
1回で500万円を引き出すことはできませんが、手間と時間は掛かりますし、都度防犯カメラに映るリスクはありますが、回数を重ねて犯行を繰り返せば、最終的に500万円が引き出せてしまう現状の仕組みに問題があるように思います。
もちろん、預金者の中には、仕事柄、何度も現金を引き出さなければならない人もいるでしょうから、一概に全ての制限を行うのは問題ですが、
一般の方で、特に高齢者ともなれば、短期間で15回にわたって現金を引き出す時点で、いかにも犯罪のにおいがします。
何かしらの警告や窓口にて本人確認を行った上で引き出せるように誘導するなど、仕組みを変える必要があるのではないでしょうか。
窓口での現金引き出し
窓口で現金を引き出す際は、高額な場合(200万円以上)、本人確認書類として、免許証等の提示が求められます。(金融機関や支店によっては、利用限度額を設定しているところもあるようです)
犯罪者が盗んだり、だまし取ったキャッシュカードや通帳(印鑑含む)を使って、窓口で現金を引き出すことにはリスクがあり、顔を見られにくい(カメラにも映りにくい)ATMを利用するのは当然と思われます。
ATM利用と窓口利用では、手数料が異なり、窓口の方が高く設定されています。
銀行員の方も、(個人的な印象かもしれませんが)窓口よりもATMでの取引を勧める傾向があるように思います。
1日あたりの利用限度額の設定はあるが、本人確認は行わないATMの方を勧めるというのは、何か矛盾しているように思います。(本人確認を行いたくない、責任を負いたくないという空気を感じるのは私だけでしょうか)
今後、求められる対策
クレジットカードの場合、利用状況に関して、第三者による不正利用の疑いがあれば、カード会社で一時的にカードを使用できなくしたり、所有者に電話で利用確認をすると言われています。
また、不正利用だと判明した場合、不正利用分はカードの所有者に請求されないように手続きをとってくれることもあるようです。
銀行などの金融機関においても、AIで取引状況を監視し、従来から利用頻度や金額を逸脱する引き出しや振り込みがあった場合は、警告を出すというような仕組みに変えていくことはできないでしょうか。
個人的には銀行などの金融機関にお金を預けることに対しての不安は全くありません。
自宅に保管するより何十倍も安心して預けられます。
泥棒や詐欺師がキャッシュカードを使って不正に現金を引き出す。
この犯罪に対して、金融機関の責任がないことは明らかです。
しかし、このようなキャッシュカードでの現金引き出しの被害の事件を目にすると、いつも銀行のサービスや対応の不親切さを感じます。
高齢者等の弱者に対するサービスを充実させることで、より多くの人が安心して利用できる機関になるのではないでしょうか。(高齢者を狙った犯罪)