防犯ブログ
- 犯罪情報
2023年04月14日
「寿司テロ」と「テロリスト」の共通点
菊陽町にある回転寿司チェーン「スシロー」の店舗で迷惑行為を撮影した動画がSNS上に掲載された問題で運営会社が警察に被害届を提出していたことがわかった。
動画が撮影されたのはスシロー光の森店。何者かがテーブルに備え付けられたアルコールスプレーを回転ずしのレーンを流れる商品に噴きかけている。
運営するあきんどスシローは2月24日、この行為について警察に被害届を提出したという。
あきんどスシローは迷惑行為をした関係者から連絡があったとした上で「刑事・民事の両面から厳正に対処する」としている。
<2/28(火) 19:52配信 熊本県民テレビ(KKT)より>
寿司テロの背景
最近頻繁に目にすることがある「寿司テロ」という言葉。
迷惑行為を撮影した動画をSNS上に掲載し、テロリストのように無差別に寿司店へ被害を与えるからでしょうか。
単に「被害を与える」という意味合いだけでなく、テロリストと同じような示威行為をSNS上ですることから、承認欲求が背景にあること共通しています。
迷惑行為を行った動画の多くで、彼らは自分たちの顔をさらしています。
顔を隠して行為を楽しむのではなく、自分がやっていることを多くの人に知ってもらいたい、認めてほしいという欲求を垣間見ることができます。
恥ずかしい、見られたくない、相手に迷惑を掛けている、など普通の人が感じる感情が欠けているようです。
テロリストもテロ行為の後に声明を動画等で発表する際、自分たちの顔を隠すことはありますが、組織名・団体名等は発表し、自分たちの主張・成果・意義などを強調する点は似ています。
4種の欲求
テロ組織に入った経験のある若者約2000人に行ったインタビューの分析結果の中で、彼らには4種の欲求が見られるということです。
「スリル・冒険欲求」「承認欲求」「アイデンティティー欲求」「報復欲求」。
最初の3つは「寿司テロ」にも通じています。
① 動画の中で彼らは「スリル」を楽しむような浮かれた感じがある。
② 「いいね」やフォロワーが欲しいという「承認欲求」も強い。
③ それを満たせば「自分らしさ」「アイデンティティー」を確立できるような気もする。
<2/28毎日新聞朝刊「火論」より一部引用>
寿司テロからテロリストへ?
さらに、店員の対応が悪かった、店で購入した商品が気に入らなかったなどの感情が、④ 店側へ仕返ししたい、思い知らせたいという「報復欲求」に発展することも考えられます。
そうなるとまさにテロリストと同じ欲求を持つことになります。
迷惑動画をSNS上にあげるような若者は、将来、テロリストになる(もしくは素質がある)可能性があるようで心配になります。
SNSを活用し戦闘員を集めていたイスラム国(IS)のような例もありますから、今後テロリストがSNS上で迷惑行為を上げている若者たちを(テロリストの)素質があると考えて勧誘するような事態になると危険です。
これらは若者の成熟度に問題があるのか(教育のレベルなど)、それとも生まれついての障害の可能性があるのか、投薬などによる治療が可能なのか、カウンセリングにより症状が改善するのか、などを社会全体で考えていかなければならない重要な問題ではないでしょうか。