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2023年04月21日
粗大ごみを盗むのは犯罪か? 転売するのは犯罪か?
春に引っ越しを予定しており、不要になった物や故障品などを処分する人も多いのではないでしょうか。
基本的に一辺の長さが30センチメートルを超える物を処分する際は、粗大ごみとして自治体に回収を依頼する必要があり、費用がかかります。
ところが、粗大ごみの回収依頼後、ごみ捨て場に置いている間に盗まれた事例もあるようです。
粗大ごみを盗んだ場合、どのような法的責任を問われる可能性があるのでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。
窃盗罪などに該当する可能性
Q.そもそも、粗大ごみなどをごみ捨て場から持ち去った場合、どのような法的責任を問われる可能性があるのでしょうか。
牧野さん「民法239条1項によると、捨てられている物は所有権が放棄されているため、持ち帰った人が所有権を持つことになります。ごみを持ち帰っても、法的責任を問われません。
ただし、ごみ集積所がマンションの敷地内などにあり『関係者以外立ち入り禁止』とされている場合、そこに勝手に入ってごみを持ち去ると軽犯罪法違反(1条32号。入ることを禁じた場所に正当な理由がなく入った罪)に問われる可能性があります。
また、自治体の財源にされている『資源ごみ』に該当する場合、ごみ集積所に出されると、自治体に所有権が移転したものと解釈されます。それを無断で持ち去ると、窃盗罪(10年以下の懲役または50万円以下の罰金)や条例違反に問われる可能性があるので注意が必要です」
<3/8(水) 6:10配信 オトナンサーより一部転載>
粗大ごみに関する記事ですが、その中から気になるポイントを簡単にまとめました。
① 粗大ごみをごみ捨て場から持ち去った場合
⇒ 捨てられている物は所有権が放棄されているため、持ち帰っても法的責任を問われない。
但し、「関係者以外立ち入り禁止」の場所にごみ捨て場がある場合、軽犯罪法違反に問われる可能性がある。
② 不用品を無料で回収する業者に関して
⇒ 古物商許可の取得が必要。リサイクル品の買取、中古品の販売、別のリサイクルショップへ卸すためには必要な許可。
③ 業者に渡した不用品の件で、渡した人が法的に責任を問われる可能性はあるか?
⇒ 業者がごみの所有権を譲り受けたことになり、業者が処分すべきものであるため、不用品を渡した人は法的責任を問われない。
④ 盗んだごみを転売した場合、法的責任を問われるか?
⇒ 資源ごみ(紙・布・缶・びん・ペットボトル・金属製の生活用品など)のような財産的な価値があるごみの転売は、窃盗罪、古物営業法違反に問われる可能性あり。
捨てたごみ(所有権は放棄されている)なので窃盗罪は分かりませんが、古物商許可を取得していない者の転売は古物営業法違反に問われるということでしょうか。
業者に渡した不用品がもとで、渡した人が法的に責任を問われる可能性は「ある」と思っていたので、今回の記事は非常に参考になりました。
昔のように簡単にごみを捨てられなくなった今、ごみに関する知識の必要性を改めて感じます。
ごみを単に盗まれるだけなら捨てた人には何の損害もありませんが、ごみ捨て場が荒らされる、汚される、壊されるなどすれば損害が発生します。
また、盗んだごみを二次利用、犯罪に悪用されるなどした場合、(捨てた人が)法的に責任を問われることはないでしょうが、決して気分の良いものではありません。