防犯ブログ
- その他
2023年07月07日
囲碁・将棋 それぞれの特徴と課題(囲碁編)
囲碁と将棋、ルールは違いますが、新聞紙上では隣同士に記事が掲載(囲碁・将棋欄)されることもあり、親戚・仲間のように考えている人は多いと思います。
私は高校生の頃から将棋ファンですが、囲碁はルールも分かりません。
陣地取りのゲームとしか理解していませんが、新聞の囲碁・将棋欄は毎日読んでおり、タイトル戦の結果やプロ棋士の方の名前は知っていて、興味はとてもあります。
先日、囲碁で最も歴史のあるタイトル戦、本因坊戦が5月から大幅に規模を縮小して運営されるというニュースを見て驚きました。
優勝賞金が2800万円から850万円に減額され、棋戦序列が3位から5位に落ちるということです。(今後は上から、棋聖、名人、王座、天元、本因坊、碁聖、十段の順に変わる)
「本因坊」は、将棋における「名人」と同じく、とても長い歴史を持つ伝統のタイトルで、他の棋戦のタイトルとは賞金額だけでは判断できない格の高さや重みのようなものを感じます。
それが大幅に縮小されるというニュースは、日本での囲碁の衰退を感じさせるもののように感じました。
一方、将棋も長年、囲碁と同じ7大タイトル制が続いていましたが、2017年に叡王戦(えいおうせん)という8つ目のタイトル戦が増え、藤井 聡太というスター棋士の出現も含めて、非常に活性化しているように思います。
近しい両者で、なぜこのような差がついてしまったのでしょうか。
それぞれの特徴を挙げてみます。
<囲碁の特徴>
プロ入り
昨年9月に史上最年少の9歳でプロになった藤田怜央初段とお父さんの姿をテレビで目にした人も多いでしょう。
囲碁界では小学生でのプロ入りは珍しくなく、日本だけでなく韓国や中国でも若い年齢でのプロ入りは珍しくないようです。
現在世界最強の韓国においても次々と新しいトップ棋士が出てきており、20代前半で世代交代と言われるほど厳しい環境のようです。
活躍期間
囲碁は年齢を重ねてもこれまでの知識や経験を生かすことができるのか、長く活躍される棋士が多いように思います。
現役最年長棋士の杉内寿子八段が、3月に96歳0ヶ月という驚きの年齢で公式戦勝利を挙げたことは大きなニュースになりました。
ちなみに全棋士の最年長記録は寿子八段の夫である、故・杉内雅男九段が持つ96歳10ヶ月ということですから、夫人が来年記録更新すれば、再び話題になりそうです。
女性の活躍
将棋界に比べると女性の活躍が素晴らしく、女性棋士が男性棋士に勝ってもそれほど騒がれません。
女性、男性という区別はあまりないようですが、それでも女性棋士が全棋士参加のタイトルを取ったことはまだないようです。
しかし、10歳でプロになり、史上最年少の13歳でタイトル(女流棋士参加の)を獲得した仲邑菫(なかむら すみれ)女流棋聖のような若い棋士による記録更新が今後期待されます。
世界での活躍
韓国、中国という日本よりも強い国、強い棋士たちが存在しています。
日本のトップがそのまま世界のトップではなく、なかなか苦戦しているようです。
日本では、オリンピック、ワールドカップ、世界選手権など、国と国との戦いは特に注目を集めます。
今後、日本の棋士の活躍によって、囲碁の世界戦が大きな注目を集め、ブームになる可能性を秘めています。
人気の棋士
2度の7冠達成を果たした井山 裕太という絶対王者がいますが、他に目立った人気のある棋士は思い浮かびません。
平成四天王、令和三羽ガラスというトップ棋士たちがいますが、おそらく囲碁ファン以外にこのネーミングを知る人は少ないでしょう。
イケメン棋士や美人棋士のような囲碁ファン以外の人が注目する棋士が出てくると人気が爆発する可能性があります。
AIに関して
チェスより将棋、将棋より囲碁の方が指し手の選択肢が多く、コンピュータが進歩するのは難しいと言われていました。
碁盤はたて19本、よこ19本の線があり、交差する点は361点あり、将棋盤の9マス×9マスよりさらに複雑です。
私が高校生の頃は、コンピュータの実力は将棋(アマ初段程度)より、さらに弱いと言われ、プロに勝つような実力にまで到達することは一生ないと言われていたほどだったように思います。
現在は将棋と同様、AIの実力はプロ棋士を凌ぎ、2017年には中国のトップ棋士がAI囲碁に敗れたニュースが話題になりました。
Deep Learning(深層学習)の手法を使うことで進歩したと言われています。
普及活動
ヒカルの碁という漫画、アニメが誕生したことは、囲碁の普及活動への強い追い風になったのではないでしょうか。
囲碁のルールを知らない私のような者でも楽しむことのできる漫画でした。
囲碁ファン以外の多くの人が囲碁に興味を持つきっかけとなり、自分の子供をプロにさせようと考えた親御さんも多かったように思います。
当時、囲碁教室や大会には多くの子供たちが集まり、大きなブームとなりました。
現在のトップ棋士の中には、ヒカルの碁の影響で実際にプロ棋士を目指した方が何人もいるようです。
監修したプロ棋士の吉原由香里六段(旧姓梅沢)が人気を博した記憶もあります。
将棋に関しては、次回(将棋編)にて。