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2023年07月14日
囲碁・将棋 それぞれの特徴と課題(将棋編)
囲碁編はこちら
個人的に将棋への関心が高かったのは大学時代でしょうか。クラブに入り、サークル活動を毎日熱心に行っていました。
羽生さん(善治九段)が全7冠(当時)達成し、公文のCMに出演するなど将棋ファン以外の人にも知られるようになり、小さな羽生ブームが起こりました。
将棋クラブに入ったことを人に話しても、マイナスイメージ(暗い人たちの遊び)を持たれにくくなったと実感した記憶があります。
<将棋の特徴>
プロ入り
将棋は「奨励会」という組織に入り、三段まで昇段し、その後三段リーグを勝ち切って上位2名に入らなければ、基本的に四段(プロ)になることができません。
年齢制限もあり、その年齢を迎えて四段でなければ、奨励会を退会しなければなりません。
そして、四段になって初めてプロとなります。
天才と言われる藤井聡太7冠が史上最年少でプロになったのが14歳2ヶ月ですから、今後これを上回る記録が出るのはかなり先になりそうです。
囲碁界のように小学生がプロになることは極めて難しい仕組みと言えます。
活躍期間
将棋のプロ棋士の実力は、20代後半あたりがピークと言われており、40代から急に成績が落ちてしまう棋士もいます。
対局で勝てなくなり、50代・60代で引退する棋士も多く、活躍できる期間は囲碁に比べると短いように思います。
女性の活躍
女性の中で、「奨励会」の三段リーグを突破してプロになった棋士はいません。
昨年、里見香奈女流五冠が女性初の棋士編入試験を受験しました。
試験前の直近の成績では、男性棋士に連勝するなど(男性に対する)勝率も高かったため、合格が期待されるような活躍でしたが、結果は残念ながら不合格でした。
同じ元奨励会出身の西山朋佳女流三冠と切磋琢磨し、ここ数年は女流棋士の中で2強時代が続いており、男性棋士と遜色ない実力を持っています。
しかし、囲碁の女性棋士の活躍に比べると、将棋の棋士は女流○(数字が入ります)段と呼ばれ、男性のプロ棋士(四段)とは区別して言われています。
まだまだ女性棋士の活躍にはのびしろがあります。
世界での活躍
ルールや競技人口も影響していますが、日本の将棋は目指すところが日本一までしかなく、世界一という表現はあまり使われません。
外国人でポーランド出身のプロ棋士カロリーナ・フォルタンさんが誕生するなどありましたが、基本は日本と言う狭い世界の戦いに限定されます。
囲碁のような世界戦もありません。
人気の棋士
以前は羽生 善治、現在は藤井 聡太という絶対王者がいます。
引退しましたがひふみん(加藤一二三九段)のようなタレント性を持つ人気者も出現しています。
イケメン棋士や美人棋士のような将棋ファン以外の人が注目する棋士が出てくると人気が爆発する可能性があります。
AIに関して
チェスより将棋、将棋より囲碁の方が指し手の選択肢が多く、コンピュータが進歩するのは難しいと言われていました。
将棋盤は9マス×9マスで、駒が40枚あり、相手から取った駒が使えるというルールも、将棋と似ていると言われるチェスよりも複雑にしている理由でしょう。
私が高校生の頃は、コンピュータの実力はアマ初段程度と言われ、プロ並みの実力になるのに数十年はかかると言われていました。
今やプロ棋士の実力を凌ぎ、AIの形成判断や着手予想をプロ棋士が正しいと考える時代になりました。
研究や勉強にもAIを用いて、AIの感覚をうまく取り入れることに成功した棋士が成績を伸ばしています。
普及活動
過去に月下の棋士、ハチワンダイバー、3月のライオンなどの将棋を題材にした漫画が人気を集めました。
しかし、囲碁におけるヒカルの碁のような、爆発的人気を博した、ファン以外の人も巻き込むブームとなるようなものは出てきていません。
ただ、前述の人気棋士(羽生、藤井)を生かした普及活動やスポンサー企業の募集や提携などをうまく行っているように感じます。
選抜したプロ棋士とコンピュータを対戦させ、ネットで中継するという取り組みも以前行われて注目を集めました。
タイトル戦や対局時のプロ棋士の食事(昼食、夕食、おやつ)を将棋飯(しょうぎめし)という形で広め、将棋ファン以外も楽しめる内容を報道しました。
プロ棋士が実際に食べたものを同じように求めるファンが店に訪れるということもあるようです。
ネット配信や大盤解説も以前より工夫しているように思います。
結論
囲碁も将棋もそれぞれに面白い特徴があり、どちらも大いに伸びしろがあると思いました。
ルールさえ分かれば、老若男女、死ぬまで遊ぶことができます。
しかも、将棋盤、碁盤などの道具を一度用意すれば、長年使用できてそれ以上にお金が掛かりにくいのも特徴です。(道具にお金を掛けなくて良い)
アプリやインターネット上なら、道具を揃えずに無料で遊ぶこともできるお得なゲームです。
相手が何を考えているか、出方をうかがい、先の先を読む、頭を柔らかく使うゲームですから、囲碁・将棋以外のことにもきっと役立つはずです。(教育・計算・察する力・予測・戦略・認知症予防)