防犯ブログ
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2023年09月01日
サイコパスと発達障害
同じ年ごろの20代女性を殺害して死体を遺棄した疑いで拘束されたチョン・ユジョン容疑者(23)のサイコパス診断検査で、正常人の範疇を越える数値が出てきたことが分かった。
6日、釜山(プサン)警察庁などによると、警察はチョン容疑者に対して実施したサイコパス診断検査結果などを分析している。
警察はチョン容疑者は正常人の範疇に入れることができないと見て、総合的な判断を下した後、早ければ7日に検察にその結果を提出すると伝えられた。警察はチョン容疑者は犯行を自白したが相変らず犯行動機が明確でないとみて補強捜査次元でサイコパス診断検査を行った。
計20項目の質問事項で構成されたサイコパス診断検査(PCL-R)はサイコパスの本性である罪悪感・後悔・共感の不足、冷淡さ、衝動性、無責任さを評価するために用いられる。
1項目につき0~2点で、総点は0~40点となっている。韓国では通常25点以上、米国は30点以上の場合にサイコパスとみなす。一般人は15点前後の点数であることが分かった。
連続殺人犯のユ・ヨンチョル(38点)、児童性犯罪者のチョ・ドゥスン(29点)、連続殺人犯カン・ホスン(27点)、「奥歯パパ」として有名な殺人犯イ・ヨンハク(25点)が基準を上回る点数で典型的なサイコパスという診断を受けた。
サイコパス診断はこのような点数の他に、対象者の過去や成長過程、精神健康医学科の診断、過去の法律違反行為などの資料とプロファイラーの面接結果などを根拠に臨床専門家が総合的に判断することになる。
これに先立ち、京畿(キョンギ)大学犯罪心理学科のイ・スジョン教授は前日ラジオに出演して「チョン・ユジョンにサイコパス的な特徴はまちがいなく存在する」とし「情緒、喜怒哀楽がとても特異で一般の人たちと同じではない」と言及した。
あわせて「恐怖や罪の意識のようなものを探してみることは非常に難しい」とし「そのために該当事項はあるがそのまま単なるサイコパスかと聞かれれば、それはもう少し分析が必要な複合的なタイプ」と話した。
2日に事件を送検された検察はチョン容疑者の拘束期限が終わる11日まで捜査を進め、必要な場合、拘束期限をもう一度延長する方針だ。
<6/6(火) 14:17配信 中央日報日本語版より>
サイコパス
日本でサイコパスと言えば、連続殺人犯、冷酷で感情がない、知性が高いなど、漫画やドラマ、映画に出てくるキャラクターの誰かをイメージする人が多いのではないでしょうか。
一般的な考え方や常識が通用しない、怪物的な存在と考えられています。
サイコパス(精神病質者)かどうかを診断する検査を誰でも簡単に受けることができて、その診断結果をもとに研究や治療を行うことができれば、犯罪者を生み出さずに済むことにつながるかもしれません。
診断結果によって対象者を強制的に収容や勾留するのではなく、保護し治療を促すなどの対応でなければ、自主的に検査を受ける者はいなくなりますし、人権侵害等に発展する恐れがあります。
充分に人権に配慮、尊重した上での対応が求められます。
投薬等で衝動や欲求を抑えられることができれば、社会全体に有益な措置となります。
ただ、サイコパスと診断されるように、意図的に回答を変えようとする犯罪者も考えられますので、そのような不正が行いにくい診断方法にしなければなりません。
心神喪失、心神耗弱など、責任能力がない、または限定されるとして、無罪や刑の軽減を図ろうと考える犯罪者も出てくるでしょう。
発達障害
サイコパスとは全く違いますが、発達障害に関する認識も広まりつつあるように感じます。
自分の身近な人の中にも障害を持つ人がいるかもしれない、という考えが徐々に浸透しているように思います。
少し前までは障害を持つ人はごくわずかで身近にはいない、珍しい存在だと考えていた人も多いでしょう。
しかし、近年それぞれの障害における症状や特徴が情報として広まり、その特徴に該当する身近な人へのコメントを見かける機会が増えました。
発達障害の種類
発達障害は大きく3つに分かれるようです。
- 学習障害(LD)・・・全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」等の能力に困難が生じる発達障害
- ADHD(注意欠如・多動性障害)・・・課題に集中できない、忘れ物や不注意が目立つ、感情・行動がコントロールできないなどの症状が見られる障害
- 自閉症スペクトラム障害(ASD)・・・周囲とのコミュニケーションが苦手、こだわりが強い・変化が苦手などが見られる障害
また、上記の3つが重なったり、また別の症状が見られることもあったり、人によって様々で全く同じ症状の人はいないのでしょう。
KY(空気が読めない)という言葉が流行ったことがありました。
あの人は、なぜ、人の気持ちが分からないのか? ○○をしないのか? ××ができないのか? などと疑問に感じていたことも、それぞれの障害の特徴を見ると、まさにそれだと当てはまることがあり、納得したことはありませんか?
職場や友人、家族や親戚の中にも、あの人はまさに△△障害の特徴と一致する・・・と感じることはありませんか?
障害への理解
なぜ、分からないのか、できないのか、やらないのか、という相手に対する怒りや疑問などの負の感情から、障害だからそれ自体が難しい、意図的にやらないわけではないと思うことによって、こちらの捉え方や対応も変わってきます。
欠点ではなく、相手の個性として見てあげる、尊重することが大切で、それが自分にとっても、相手にとっても楽になる道ではないでしょうか。