2025.05.28
防犯対策の盲点|意外と見落としがちな注意ポイントとは?

近年、空き巣や侵入窃盗の手口はますます巧妙化しており、多くの法人や個人が防犯対策に取り組んでいます。しかし、「鍵をかけているから安心」「防犯カメラを設置しているから大丈夫」と思っていても、実は見落とされがちな防犯対策の盲点が数多く存在します。
本記事では、意外と知られていない防犯の注意ポイントに焦点を当て、「見落としがちな防犯対策とは何か?」を分かりやすく解説します。今すぐできる対策も紹介しますので、防犯意識を見直すきっかけとしてぜひ参考にしてください。
よくある防犯対策とその限界
①鍵をかけるだけでは不十分
「鍵のかけ忘れ防止」のためにオートロックを導入していても、補助錠を設置していなければピッキングやサムターン回しに弱いままです。特に古い玄関ドアは要注意です。
②防犯カメラの設置=安心ではない
防犯カメラは、設置場所や角度によっては死角が生まれやすく、証拠として使えないこともあります。夜間の赤外線性能や録画の保存期間もチェックが必要です。
③センサーライトやアラームの過信
「防犯グッズを設置しているから大丈夫」と思っていませんか?実は、電池切れや劣化によって機能していないケースも多く、定期的な点検が不可欠です。
意外な防犯対策の盲点とは?
企業や店舗では、日常業務に追われる中で「最低限の防犯対策」は実施しているつもりでも、実際には犯罪リスクを高める盲点が存在します。ここでは、法人施設における防犯上の注意点を5つご紹介します。
【防犯対策の盲点1】出入口が玄関だけではない(非常口・窓・裏口)
多くの企業では、来客用の正面玄関には鍵や監視カメラなどを設置していますが、非常口や搬入口、トイレ裏の窓など、普段あまり使われない出入口の防犯対策が不十分なケースがあります。これらは侵入者にとって格好のターゲットです。
👉 対策例:全出入口の施錠確認、センサーや警報装置の導入など
【防犯対策の盲点2】日中業務中の油断(開放状態のドアや窓)
営業時間中は出入りが頻繁なため、ドアを開けっ放しにするオフィスや店舗も多く見受けられます。しかし、その隙に不審者が侵入する「業務中の犯行」が発生することも少なくありません。
👉 対策例:受付の常時監視、入退室管理システムの導入、人の出入りを把握できるレイアウトへの見直し
【防犯対策の盲点3】SNSやウェブでの業務情報の公開(不在日や社員の動向)
企業のSNSやブログにおいて、「出張」「社員旅行」「長期休業のお知らせ」などを発信することで、第三者に社内の不在情報を知られてしまうリスクがあります。
👉 対策例:事前告知を避け、休暇終了後に報告を投稿するなど、情報公開のタイミングと内容に配慮する
【防犯対策の盲点4】従業員の防犯意識の差
鍵の閉め忘れや不審者への無警戒な対応など、従業員の防犯意識の低さがセキュリティホールとなるケースがあります。とくにアルバイトや派遣社員など、短期雇用のスタッフへの教育不足は重大なリスクです。
👉 対策例:定期的な防犯研修、マニュアルの整備、ロールプレイング研修の実施など
【防犯対策の盲点5】建物の外観・管理状況から伝わる「隙」
看板の劣化、夜間の消灯、郵便物の放置など、「人の気配がない」施設は狙われやすくなります。防犯意識の低そうな建物は、侵入者に「入りやすい」と認識されてしまいます。
👉 対策例:外観の定期点検、夜間の自動照明、防犯パトロールの強化など
見落とされがちな心理的な防犯の盲点とは?
企業や店舗における防犯対策では、物理的な設備や施錠だけでなく、従業員の防犯意識や心理的な油断も重大なリスク要因となります。以下は、セキュリティ上よくある心理的な盲点です。
①「うちの会社は大丈夫」という過信
「これまでトラブルがなかったから大丈夫」「うちは小規模だから狙われない」といった思い込みは、防犯対策の強化を怠る原因になります。しかし、実際には中小規模の事業所こそセキュリティが手薄で、犯罪者に狙われやすい傾向があります。
👉 対策例:防犯対策の見直しを定期的に実施し、第三者視点でのリスクチェックを行うことが重要です。
②業務に慣れたことによる油断
毎日同じ環境で働いていると、「鍵の閉め忘れ」や「来訪者への確認不足」など、小さな隙が生まれがちです。特に入退室の管理や受付対応が形骸化してしまうと、外部からの侵入リスクが高まります。
👉 対策例:業務マニュアルの見直しと定期的な防犯研修の実施により、セキュリティ意識を常に高く保つことが求められます。
中小企業に最適な「見せる防犯」高い抑止効果を発揮
こうした心理的な油断や過信を防ぐには、日常業務に組み込まれた継続的な防犯対策が必要です。そしてもう一つ、中小企業が取り入れやすく、コストを抑えながら高い抑止効果を発揮する方法として注目されているのが、「見せる防犯」です。
中小企業の防犯対策において、犯罪者の心理に働きかける“見せる防犯”は、最も効果的な手段の一つとされています。空き巣や侵入犯は、犯行前に現場を下見し、「入りやすく見つかりにくい場所かどうか」をチェックしています。そのため、建物の外観から防犯意識の高さを明確に示すことは、犯罪を未然に防ぐ第一の防衛線になります。
具体的な防犯対策は?
具体的には、防犯ステッカーや警告サインを出入口や窓に貼り付けることで、「この施設は防犯対策がされている」と視覚的に訴えることができます。また、セキュリティ・キーパーのような威嚇型防犯機器は、実際に警報機能を使わずとも不審者に強い警戒心を与え、ターゲットから外させる効果があります。
これらの「見た目で防ぐ防犯対策」は、特に夜間無人となる事業所や人目が届きにくいオフィスにとって非常に有効です。さらに、防犯カメラやセンサーライトと組み合わせれば、多層的かつ実用的な防犯システムとして機能します。
セキュリティハウスが提唱する「狙わせない防犯」というコンセプトは、まさにこの“見せる防犯”の考え方に基づいており、中小企業にとって現実的かつ効果的な選択肢です。