2025.06.19
防犯カメラ選びで後悔しない 屋外設置でよくある失敗とその対策

「うちは大丈夫だと思ってたんだけどね…」防犯カメラを導入した企業の経営者から、よく聞かれる言葉です。
屋外に設置する防犯カメラには、犯行の“証拠を残す力”があると、私たちセキュリティハウスでは提唱しています。
これは、万が一の際に警察への提出や社内での対応に活かせる確かな映像証拠を残すことで、加害者の特定や再発防止につながるという意味です。
しかし、安さや手軽さだけで選んでしまい、「もっとちゃんと選べばよかった」と後悔するケースも少なくありません。
本記事では、防犯のプロである総合防犯設備士の視点から、屋外防犯カメラでよくある失敗とその対策をわかりやすく解説します。
自社を「狙わせない環境」に変えるために、ぜひ最後までご覧ください。
屋外防犯カメラの重要性とは?
中小企業を狙う「下見犯」の存在
犯罪者は無計画に侵入することはほとんどありません。
彼らは事前に現地を下見し、「入りやすいか」「見つかりにくいか」「証拠が残らないか」などを確認します。
中小企業は、大手に比べて警備体制が手薄なことも多く、まさに**“狙いやすい”ターゲット**となりがちです。とくに、屋外に防犯対策がされていないと、その弱点を突かれるリスクが高まります。
「見せる防犯」で狙わせない環境を作る
屋外の防犯カメラは、「見張っているぞ」というプレッシャーを与えることで、犯罪を未然に防ぐ抑止効果があります。
私たちセキュリティハウスが重視するのは、「証拠を残す」カメラをただ隠して設置するのではなく、あえて見せるという設計です。
見せることで犯行をあきらめさせ、「この会社はやめておこう」と**“最初から狙わせない”環境づくり**が可能になります。
屋外防犯カメラは、設置するだけでは意味がありません。
重要なのは、「どのように」「どこに」設置するかです。
よくある失敗①:安さだけで選んでしまう
家庭用と業務用の違いを理解する
「とりあえずカメラがあれば安心だろう」
そう思ってホームセンターやネット通販で家庭用の防犯カメラを購入する企業もありますが、これは大きな落とし穴です。
家庭用と業務用では、映像の鮮明さ・録画の安定性・耐久性・保証対応など、あらゆる点で差があります。特に業務用は、犯罪の証拠能力として使用に耐える品質が求められています。
屋外設置では、夜間の暗がりでも顔がはっきり映る赤外線機能や、遠方からでもしっかり録画できるズーム性能も必要になります。
家庭用では、これらの機能が不十分なことが多いのです。
耐久性・防水性・画質のチェックポイント
屋外に設置する防犯カメラは、雨・風・直射日光・寒暖差といった過酷な環境にさらされます。
このため、防水・防塵性能(IP等級)や耐衝撃性、そして高温低温に耐える設計かどうかが非常に重要です。
また、画質についても注意が必要です。
犯行の「証拠」を残すには、犯人の顔・服装・車のナンバーが明確に映る画質が求められます。フルHD(200万画素)以上が推奨され、夜間の撮影能力も欠かせません。
「安かろう悪かろう」では、いざというときに何も残らず、“設置していたのに意味がなかった”という最悪の結果になりかねません。
よくある失敗②:死角を見落とす設置場所
プロが見る「侵入されやすいポイント」
屋外に防犯カメラを設置しても、「死角」が多ければ意味がありません。
犯罪者は、“カメラに映らない場所”を狙って侵入してきます。
私たち防犯の専門家が現地を調査する際には、以下のような**「狙われやすいポイント」**に着目します:
- 裏口や勝手口、非常口などの「人目につきにくい出入口」
- 敷地の裏側や隣接地との境界
- 塀の影や車の陰、物置の裏などの「隠れやすい場所」
防犯カメラの設置でありがちなミスは、「メインの出入口だけを見て満足してしまう」ことです。
実際の侵入ルートは裏側や暗がりにあることが多いため、全体の敷地構成を踏まえた配置が必要です。
「見る」ではなく「見せる」設置位置とは?
もう一つの大きなポイントは、「カメラは見るだけでなく、見せることで威嚇効果を発揮する」ということです。
犯人はカメラの存在を確認すると、「録画されているかもしれない」「証拠が残るかもしれない」と心理的なブレーキがかかります。
この**“心理的抑止”を狙うためには、目立つ位置への設置が有効**です。
とくに有効なのは、建物正面・門・駐車場入口など、不審者の視界に必ず入る場所です。
そこに「防犯カメラ作動中」「録画中」などのステッカーや、セキュリティキーパーのような光・音・音声で威嚇する装置を組み合わせることで、強い抑止力が生まれます。
よくある失敗③:録画だけで安心してしまう

「記録」より「抑止」の考え方が重要
多くの企業が防犯カメラを導入する際に、「録画しておけば安心」と考えますが、それだけでは不十分です。
実際、「映像は残っていたが犯人は捕まらなかった」「犯行が繰り返された」という事例も少なくありません。
防犯の本質は、“起きてから対応する”のではなく、“起きる前に防ぐ”ことにあります。
録画機能だけのカメラでは、犯行そのものを防ぐ力=抑止力が弱いのです。
そのため私たちは、「証拠を残す力」に加えて**“狙わせない環境”を作ること**が必要だと考えています。
センサーと連動する「威嚇機能」で防ぐ防犯へ
ここで効果を発揮するのが、センサーと防犯カメラの連動システムです。
たとえば、竹中エンジニアリング製の赤外線センサーやフェンスセンサーを使用すれば、人の侵入を検知できます。
センサーが異常を検知した瞬間、次のような流れで即時対応が可能になります:
- センサーが不審者を検知
- セキュリティキーパーが自動で発光・警告音を発する
- 同時にカメラがその瞬間を録画し、証拠を保存
- 必要に応じて警備会社や管理者に通知
このように「センサーによる検知」+「威嚇」+「録画」の3つが連動することで、
**その場で犯人を追い返し、かつ証拠も残す“アクティブ防犯”**が実現します。
録画だけに頼る防犯から、能動的に侵入を防ぐ「攻めの防犯」へ。
これが、現代の企業に求められる防犯スタイルです。
後悔しないためのポイントまとめ
防犯カメラは「設置すれば安心」ではなく、正しく選び、正しく使うことが重要です。
ここまで紹介してきた失敗例から学び、後悔しないために押さえておくべきポイントを以下にまとめます。
①業務用の屋外カメラを選ぶ
- 高画質・夜間対応・耐久性が備わった製品を選ぶ
- 「証拠を残す力」が確かなカメラを導入する
②「見せる防犯」で抑止力を高める
- カメラを目立つ位置に設置し、下見犯を威圧
- ステッカーや看板で防犯意識の高さを示す
③死角のない設置をプロに相談
- 敷地全体を俯瞰し、侵入ルートを把握
- 専門家による現地調査で最適配置を実現
④センサーと威嚇装置の連動が最強の抑止力
- 竹中エンジニアリング製センサーで即時検知
- セキュリティキーパーで音と光の警告
- カメラが証拠を確実に記録
⑤「起きてから対応」ではなく「起きないように備える」
- 記録だけでは防げない
- 「狙わせない」防犯を徹底することが会社を守る近道
経営資源を守る防犯は、コストではなく投資です。
防犯のプロに相談し、御社に最適なシステムを導入することで、
「事件が起きなくてよかった」と言える未来を一緒に築きましょう。
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