2025.08.08
セキュリティシステム導入の極意|狙わせない防犯とは?

セキュリティシステムとは何か?
それは「記録する」だけではなく、「狙わせない仕組み」を構築すること。
本記事では、総合防犯設備士が、防犯のプロの視点から**“侵入されない”セキュリティシステムの導入法**をわかりやすく解説します。
「まさか、うちが狙われるなんて……」
そう語るのは、都内で工場を営む経営者。実際、いまや中小企業を狙った侵入犯罪が急増しています。理由は明白——
- 警備が手薄
- 防犯意識が低い
- 夜間は無人
こうした“狙いやすさ”が犯罪者を引き寄せているのです。
では、どうすればターゲットにされない会社になれるのでしょうか?
答えは、**「狙わせない防犯」**にあります。
※本記事は、日本防犯設備協会認定の総合防犯設備士が執筆。機器選定から犯罪心理の理解まで、専門的な視点で“本当に効果のある防犯”を解説しています。
なぜ今「セキュリティシステム」が必要なのか?
中小企業が狙われる時代
かつては大企業や金融機関が狙われる傾向にありました。しかし現在、侵入犯罪のターゲットは**「防犯対策が甘い中小企業」**へとシフトしています。
特に、以下のような特徴を持つ企業は要注意です:
- 夜間・休日に無人になる工場や倉庫
- 外部から見てセキュリティ機器が見当たらない建物
- 防犯カメラのみで威嚇装置がない施設
こうした「隙」は犯罪者にとって格好のターゲットです。実際に、私が関わったある中小製造業でも、センサーも威嚇機器もなく、深夜に資材の盗難被害に遭いました。
防犯カメラだけでは「防げない」理由
多くの企業が防犯カメラを設置していますが、それだけでは記録はできても侵入は防げません。
犯罪者は、
- 音も光もない
- 通報されにくい
- 時間をかけられる
といった場所を狙います。逆に、**「見られている」「すぐ通報されるかも」**と思わせる環境なら、犯行を諦めます。
つまり、防犯とは「狙わせない仕組み」を作ることです。
“抑止力”が防犯のカギ
防犯の目的は、侵入されてから対応するのではなく、最初から侵入させないことです。ここで重要になるのが**「抑止力」**です。
犯罪者は常に「リスク」と「リターン」を天秤にかけています。
- 音が鳴る
- 光が点く
- 音声で警告される
- オーナー(社長)に即時通報される仕組みがある
こうした仕組みが「目に見える形で存在している」と、犯罪者は**「ここはやめておこう」と感じます。つまり、防犯の成功とは“侵入される前に諦めさせる”こと**なのです。
セキュリティシステム導入のステップ
現地調査で見える“死角”
建物の構造・敷地・出入り口・照明などを調査し、犯罪者が好む“死角”を特定します。
例
- 裏手の低いフェンス
- 照明が届かない物置周辺
プロの目でしか見抜けないリスクも存在します。
竹中エンジニアリング製センサーの強み
死角が判明したら、次は感知と威嚇の設計です。
ここで活躍するのが、信頼性に定評のある竹中エンジニアリング製の各種センサーです。
- 赤外線センサー(赤外線で人の動きを検知)
- パッシブセンサー(人の体温や動きを検知)
- マグネットセンサー(ドアや窓の開閉を検知)
これらなどのセンサーは高感度かつ誤報が少なく、セキュリティキーパーなどの威嚇機器と連動させることで、侵入を未然に防ぐ仕組みが構築できます。
不審者を感知した瞬間、光・音・音声による威嚇と同時に、オーナーのスマートフォンへの通報が可能です。
防犯のプロが作る「攻めの防犯設計」
最後に重要なのは、機器の選定と配置を“泥棒目線”で設計することです。
- 犯罪者に「ここは無理だ」と思わせる設計
- 建物全体をセンサーでカバー
- 威嚇装置を目立つ位置に設置
成功事例に学ぶセキュリティシステム導入
ケース1:工場・倉庫への侵入ゼロを実現
関西の部品製造会社では、侵入未遂が頻発。そこで、パッシブ赤外線センサーとマグネットセンサー+セキュリティキーパーを導入。
結果、導入以降、未遂すらゼロ。泥棒が“諦める環境”を作ることに成功しました。
ケース2:防犯強化で社員の意識が向上
ある印刷会社では、防犯対策強化後、社員の施錠確認や声かけが自然と増加。
「社長が本気で守ろうとしている」との安心感が、現場の防犯意識向上につながりました。
まとめ|経営者の判断で会社の未来を守る
防犯対策は「何かあってから考えるもの」ではありません。
被害が起きてからでは、金銭的損失だけでなく、信用、社員の安心感、そして経営者としての自信すらも失いかねません。
今は、中小企業が最も狙われやすい時代です。
だからこそ、「狙わせない」防犯が重要です。
- 泥棒心理を突く「抑止力」
- 現地調査に基づく緻密な設計
- パッシブセンサーや赤外線センサーやマグネットセンサーを活用した感知力
- セキュリティキーパーによる強力な威嚇
- そして、何より「防犯に本気な経営者の姿勢」
これらすべてが揃って、会社を守るセキュリティシステムが完成します。
防犯は経費ではなく、「経営の責任」です。
あなたの決断が、会社の未来を守ります。
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この記事は2025年8月8日に内容を更新しました。