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2019年10月28日 新医療(2019年11月号)に掲載されました。


病院内における犯罪の傾向と
防犯セキュリティの具体的対策


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<掲載一部抜粋>

病院における犯罪の最新傾向

 令和元年(2019年)9月、「放射線障害防止法」が施行された。
 この規制に関する見直し事項で、東京オリンピック前のテロ対策として、
 放射性同位元素がテロ行為などの目的に使用されることを防ぐために
 「特定放射性同位元素の防御」が義務づけられ、
 医療機関はそのセキュリティ対策の強化が国から支持されている。

ガンマナイフ室・血液照射装置
 アフターローディング装置への防犯対策

 放射線障害防止法で義務付けられた「特定放射性同位元素の防御」から解説する。
 同法の対応に活用できると思われる、病院に採用されている手段が
「入退室管理システム+防犯カメラ+侵入検知システム」という連動対策である。
(図-1)

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点滴への異物混入対策および薬剤の盗難・紛失対策の具体例

 点滴への異物混入や薬剤の盗難・紛失は、病院の内部犯行である可能性が非常に高い犯罪である。
 この種の犯罪が発生してしまうと、病院自体の信用を大きく失ってしまうだけでなく、
 犯人が特定できるまでの間、職員間の人間関係にも影響を及ぼし、
 最悪修復できない事態にもなりかねない。

 その対策として、一般的な防犯カメラの設置だけではなく、
 関連機材・薬剤の保管場所用の入退室管理システムを防犯カメラと連動させると、
 入室できる人間を有資格者だけに限定でき、
 かつ「誰が、何時に入室し、何時に退室したか」の履歴をパソコンに保管できるので効果的である。

 また、防犯カメラとの連動で人の出入りがあった時のみ録画することもできるため、
 「入室時に不審な動きがなかったか」を録画映像で確認することが可能となる。
 こうしたシステムの導入の院内周知を徹底し、犯罪を未然に思いとどまらせることが何より大切である。
 (図-2)

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院内暴力対策として有用なシステムとは

 多くの病院で問題になっているのが院内暴力である。
 「患者から職員に対しての暴言だけにとどまらず、
 暴力やセクハラ行為といった問題が約7割超の病院で発生しているが、
 届け出をしたのはわずか6%」という統計資料も出ているほどだ。

 院内暴力の防犯対策としては、
 異常発生時に患者に知られずにナースセンターに助けを呼ぶ
 「小電力ワイヤレス緊急通報システム」の導入が効果的である。
 無線式の腕時計型送信機やペンダント型送信機が使われる
 同システムを職員が常時携帯すれば、被害に遭った時にすぐに
 ナースセンターへ異常発生を連絡することができる。

 同システムの電波は見通し距離100mまで到達し、送信機が携帯型のため、
 場所を問わず異常を知らせることが可能である。
 (図-3)

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安全対策としての予測型見守りセンサーの意義

  「予測型見守りセンサー」の導入により、病棟居室での被介護者の起き上がりや
 端座位、離床、柵超え、すり落ち、入室、退室などの危険動作を予測し、
 スタッフのモバイル端末やナースセンターのモニターに知らせることで、
 入院患者の事故を未然に防ぐことができる。
 また、映像はシルエット画像のため、プライバシーに配慮して見守ることが可能。
 (図4-1、4-2)

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病院がとるべき基本的防犯対策

 盗難や置き引き、車上荒らしなど従来からある犯罪に対しては、
 多くの病院が「防犯カメラの設置」という対策を講じている。
 直近数年で防犯カメラの性能が大きく向上し、高解像度の新鮮な映像で
 録画・再生ができるようになったため、より犯人特定に効果を上げているのも確かである。

 病院の防犯対策を考える場合には、それぞれの病院の規模や建物の構造、
 病床の数などのさまざまな諸条件により、運用方法を十分に考慮して
 システム構築をすることが重要である。
 その際、病院のご担当者の方は、防犯設備士や総合防犯設備士に
 相談することもお勧めしたい。


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