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2020年11月26日 中外日報(2020年11月25日)「防犯ズームイン(72)」(弊社提供連載)

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閉塞感なく 一元的監視

大津市中西部に位置し景勝地として知られる長等山の中腹から裾野にかけて広大な境内を擁する天台寺門宗総本山園城寺。「三井寺」の通称で親しまれ、西国霊場第十四番札所の観音堂は市街地や琵琶湖を一望できる絶景ポイントにある。

同寺は今年秋、寺務所・収蔵庫の補修の一環として防犯カメラを全面的に切り替え、大幅に増設した。多数の堂宇と文化財を護持する取り組みは寺社の防犯を考える上で参考になるだろう。福家俊彦長吏にその取り組みについて聞いた。

防犯カメラの有効性について「境内を全て見回るのは現実的に難しく寺務所で一元的に監視できるカメラの存在は重要だ。最近は小型化されたこともあってか、設置に違和感を持つ人は少ないように思う」と話す。
 一方で市街地に近い立地から同寺ならではの課題がある。

「近隣に公共施設も多く、朝夕境内を散歩する方もいる。境内と市街地の境界が曖昧なため、人の出入りを完全にシャットアウトするのは難しい。境内全域をカバーできるほど防犯カメラを設置できれば良いが、台数に限りがある。重要度に応じて設置ポイントは絞っている」と問題点とその対応を語る。

寺社における防犯については「すべてを閉じてしまえば容易に防犯対策を講じることができるだろう。人と人の距離を取る傾向が強まる中、寺まで門扉を閉じてしまえば社会全体の閉塞感は強まる。開かれた、誰もがお参りできる寺であるためにも防犯機器を必要に応じて活用したい」との考えを示した。

施工したセキュリティハウスみやこ(友田彰夫社長、京都市山科区)は、同区のセキュリティハウス・センターが全国展開する防犯機器の販売ネットワークに加盟している。このネットワークには現在、全国の139社が参加している。

問い合わせはセキュリティハウス・センター「SHネットワーク運営本部」∥電話075(584)6600∥まで。

(写真説明)
豊臣秀吉の正室北政所によって再建された金堂(国宝)をはじめ多くの堂宇に防犯カメラが設置されている

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