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2016年10月04日
中外日報(平成28年9月30日)「防犯ズームイン(25)」(弊社提供連載)
賽銭箱にセンサー
傾き検知通報、盗難防ぐ
鹿児島は浄土真宗の法義が盛んな地域として知られる。「かくれ念仏」のように、近世において藩から過酷な弾圧を受けても、門信徒らはひそかに法座などを開いて信仰を守り続けた。
そんな篤信の門信徒らが多い地で、信仰の拠点となるのが浄土真宗本願寺派本願寺鹿児島別院だ。鹿児島市の中心部にあり、雄大で荘厳な本堂のたたずまいに信仰の篤さがうかがい知れる。
同別院は今年の夏、賽銭泥棒を防止するシステムを導入した。賽銭箱に傾斜センサーを設置し、傾きを検知すると寺務所に通報する。
導入のきっかけは、賽銭が盗まれる被害が頻発したことにある。賽銭箱は2か所に置かれ、不審者の発見が難しかったという。無人になる場合もあり、このたび常時監視の態勢を取った。
設置したのはセンサー、受信機、中継機といたってシンプル。いずれの機器もワイヤレスで、寺院の荘厳さを失うことがなかった点も、導入の決め手となった。同別院からは「システムがあると無いでは安心感が違います」との声が聞かれる。
システムは鹿児島市のセキュリティハウス鹿児島(丸田寿朗社長)が手掛けた。同社は、京都市山科区のセキュリティハウス・センターが全国展開する防犯機器専門ネットワークに加盟。この全国ネットには現在、北海道から沖縄までの137社が参加し、公共施設や一般企業、寺社向けに防犯システムを提案・納入している。
問い合わせはセキュリティハウス・センター「SHネットワーク運営本部」∥075(584)6600∥まで。
写真説明
鹿児島市内の中心部にある本願寺鹿児島別院