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2013年12月19日
病院におけるリスクと必要な防犯対策
平成18年度における医療機関での刑法犯認知件数は1万3687件。その大半は「窃盗犯」つまり泥棒です。「病院は警備が甘い」と病院ばかりを狙う 窃盗犯もおり、事務室の金庫内現金やパソコンが盗まれたり、病室の個人の現金や持ち物が盗まれたり、外来患者の荷物が置き引きされたりしています。
「暴行」も平成16年が141件、17年が148件、18年が195件と増加の傾向にあります。
また、最近も暴力団の組長が入院中のベットで射殺されたり、暴力団員と人違いされたと推測される入院患者が射殺される事件も発生しました。乳児連れ去りや
職員への暴力事件、泥棒や職員自身の薬品や注射器の持ち去り、電子カルテの入ったパソコンの盗難、お茶への異物混入など事件が相次ぎ、医療機関の安全管理
体制・防犯体制のあり方が問題になってきています。
想定されるリスク
病院には個人経営の医院から大規模な病院まで洋々ですが、入院病棟がある場合には基本的に24時間人がいる状態です。そのため、どうしても「警備」「防犯対策」が一般企業に比べて行いにくい環境であるともいえます。
- 患者または見舞い客を装って入院病棟に侵入し、現金、見舞金、貴金属などを盗まれる
- 外来客や見舞い客の荷物置き引き。
- 事務室、職員ロッカールームなどに侵入し現金、パソコン(換金できる)などを盗まれる。
パソコン内に電子カルテなどが入っていると個人情報漏洩にまでなる。 - 薬品保管場所に侵入し、薬物、注射針などを盗まれる。薬物は誘拐や強姦など別の犯罪に使用される二次被害も発生。
- 診察時間修了間際を狙った強盗。
- 新生児室からの新生児連れ去り。
- 治療や入院中の病院対応不満に対する嫌がらせや恐喝、職員への暴力。
- 入院患者への殺人、暴力。
- お茶や食事への異物混入。
- 駐車場の車上荒らし。自動車へのいたずら。
- 放火。たばこのぽい捨てによる火災。
病院の防犯対策
病院が防犯対策を考える時、まず、病院の建物全体の使用用途に応じた「ゾーン分け」をすることが重要です。
- 外来患者が自由に出入りできるスペース、
- 入院患者が自由に出入りできるスペース
- 入院患者の出入りできるスペース
- 職員全般の自由に出入りできるスペース
- 薬剤室や新生児室といった特殊な人間しか出入りできないスペース
「モノ・人・時間」で建物全体をゾーン分けして、夫々のゾーンの特性や守りたいものをピックアップしその防犯対策を立てるのです。
そして制限するゾーンに関しては徹底した入退出管理を行うことが大切です。
建物の構造そのものもできればそういった考え方で出入りを制限するための扉やシャッターなどを設け物理的に制限するとともに、電気錠や入退出管理システム、防犯監視カメラなど防犯装置を設置するとより安全性が高まります。
又、患者や見舞い客が自由に出入りできるゾーンにおいては不審者に対し院内では警戒していることをきちんと示し、その気にさせないことが大切です。
夜間や早朝などの出入り口に関してもインターホンや防犯監視カメラなどを活用し厳戒な出入管理を行うことが重要です。
フリーで出入りさせるのではなくインターホンできちんと患者名と氏名を名乗らせることで犯罪を大幅に減らすことができます。個人の私物に関しては「セキュリティボックス」の設置をお勧めしています。
カードで開け閉めし、カードを変更することで入院患者の移動にも簡単に対応できます。もちろん多額の現金や貴重品を病院内に置かないような指導の徹底も必要です。
「廊下は公道と同じ」という考えで職員が管理を強化することが犯罪を未然に防ぐ上で重要です。無線タイプの非常用押しボタンシステムなどヲ携帯 し、万が一の異常をすばやく知らせるということも重要です。放火や火災対策には「炎センサー」10m先の7cmの炎を検知できますので、素早い対応が可能 です。